嵐の夜に
使用お題ふたつ
視界の端を紺色の羽がふわふわとよぎる。
「あ、あ。まだ、まだでありますよ。まだページをめくってはなりませぬぞ」
肩に乗っている相棒が私の読書の邪魔をしている。私のペースで読んでいていいという話だったのにこれはどういうことだろう?
まぁ、いいかと私はもう一度内容を見直す。
雨音と窓をゆする強い風の音がチラチラと灯りを不安定に踊らせている。
むしろ今日はここまでだろうか。
「外、行こうか」
提案には沈黙が返る。
「外行くよ」
決定事項として告げると肩から重みが消えた。
いつもの場所に視線を向ければいつものようにクッションにしがみついて足をバタつかせている少年がいる。
「いやであります。外は台風の最中であります。羽が濡れるし、紙っぺらが飛んできて張り付いて不快であります」
そういえば、前回は飛んできた瓦を破砕したドヤ顔に濡れたチラシがぶち当たって危うく窒息墜落しかけてたっけ。
「油断しなきゃイケる。いける」
「ヒ・ト・ゴ・ト!!」
いや、まぁ、他人事だし?
灰色のポニーテールを揺らして指先をこっちにむけ振り回す少年は私の魔術的相棒。魂の共有者だ。
なんだかんだ吠えあってもお互いに愛着を持っている。
「まずはオ・シ・ゴ・ト」
クッションを抱き締めて不貞腐れる少年を宥めるでなく告げる。
私の相棒は雨と風を扱う魔法生物的鷹である。
仕事は災害被害をほんの少しだけ緩和すること。
出歩いちゃって怪我しそうな人を保護したり、雨をすこしだけ違う方向へ流したり。そんな些細なこと。
あとは、状況によっては領主様に早期報告かな。
「行こう」
少年が諦めたようにクッションを床に落とした。
「チラシ死すべし」
ふわりと肩に夜色の鷹が舞い降りる。
嵐の夜に空を駆ける。
二人で一緒に。
・ 侍
・ドジっ子
・髪の色:白(銀色/灰色)
#男キャラ創ったー
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相棒は紺色の翼をした鷹
主属性:雨 副属性:風
説明:鷹は自称・天才。本が好き、台風が苦手
#診断メーカー魔法高専
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