408/419
気のせい
使用お題ひとつ
笑いかけられて手を取られてドキドキした。
「君が好き」と微笑まれてときめいた。
だから。
言いきかせる。
その好きはけして特別な好きではなく、多くに向けられる好きだって。
言いきかせるたびに自分の好きは特別になっていきそう。
わかってる。繰り返し思うから特別って錯覚している。
それでも私は狡いから。
「大好きよ。素敵なおともだちだもの」
なんて予防線を張る。
恋してる錯覚は楽しくてだから満喫しているんだと言いきかせてる。
「でも、あんまり好きって言葉にしちゃうと恋と、錯覚してしまいそう」
茶化すように歌えばあなたの眉間に少し皺が寄った気がしたわ。
きっと気のせい。気の迷いだと思うけど。
お題は『恋と、錯覚してしまいそう』です。
#shindanmaker
https://shindanmaker.com/392860




