祝辞
使用お題ひとつ
祝福されて確かに嬉しかった。羨望と賞賛が嬉しかったんだと思う。それでもどこかで茶番劇だと貶めている私も居た。誰から見ても祝福されるべき状況を勝ち得た。成り代わりたいと思わせた贈られる妬みやいろんな下心まじりの祝辞や賛辞。それは私への賛辞でなく、祝辞でなく、その事象に対する賞賛。ちゃんと茶番劇だと参加者は皆知っていたと思う。
すごく貴方はきらめいて見えたの。
だって祝われる私より、祝ってくれる貴方の方が嬉しそうだから。
「よくわからないけれど、君がスゴイって認められたんだよね? おめでとう」
「たいしたことじゃないわ」
私は素直じゃなくてツンと視線を逸らした。
貴方はキョトンとしてからおひさまみたいに笑った。
「人に認められるような成果を当たり前にできるぐらい頑張ってきたんだね。スゴイと思うよ」
本当に貴方は狡いと思う。
当たり前に他者の成功を祝える貴方は狡いほどにきらめいて見えるのだもの。
お題は『祝われる私より、祝ってくれる貴方が嬉しそうだから』です。
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