表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自縄遊戯  作者: とにあ
386/419

夏陽

使用お題ひとつ

 それは偶然だった。‬

 視線が交差し君が甘く微笑んだ。小さく頭が揺れてただ通り縋った他人へと挨拶をしたのだとしれる。‬

 ざんざんと夏が鳴く。‬

 耳鳴りのような静けさが肌を焼き、動けない。‬

 背を伝う汗がシャツに吸われる。‬

 よく晴れた夏の日だった。‬

 ゆうゆうと大きく飛ぶ蜂に驚き悲鳴をあげて駆けていく少女たちが背景にあった。‬

 木陰は黒々と影をつくり、日差しはどこまでも白かった。‬

 踏めば傾ぐ歩道。ひと気の少なくなったバス停のベンチ。きっともうそんな偶然は起こらない。‬

 ざんざんと夏が鳴く。小さな蟻が忙しなくゆく。見上げた枝で必死になって夏を歌う蝉。‬

 生きている。‬

 汗をかくことを忘れた腕を空へと伸ばす。‬

 青い空に白い雲がわいていて眩しい。‬

 暑い。‬

 痛い。‬

 生きている。‬

 気に留められることなどないのだ。知っていた。一方的に見ていただけだから。

 ざんざんと夏が鳴く。君に恋していたのだろうか?

 恋に、そう。夏の恋に恋していたのだろうか?

 蝉が恋を愛を歌ってる。

 つられて恋をしたのだろうか?

 暑い。それなのに寒くもあるんだ。

 夏の音は騒がしく、どこまでもさむく静かだ。この耳に意味のある音は残らない。

 君の足下に伸びた影すら恋しいのに。

 それはどこまでも届かない絵空事。

「ああ」‬

 声がこぼれる。‬

 ざんざんと夏が鳴く。空回る思考を馬鹿にするように烏がベンチのそばをうろついている。

 おまえなどいてもいなくても同じだと言われてるようで。それは生きていることの肯定で否定のよう。

 暑い。

 息苦しい。

 腕が落ちる。

『……』

 君の姿が見えた気がした。

 静かだ。

 君がこっちに駆けてくるような幻覚まで見えるなんて、ああ、ほんとうに。


 ざんざんと夏が鳴く。


「まるで世界の終わりだね」‬



「それは偶然だった」で始まり、「まるで世界の終わりだね」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば6ツイート(840字)以上でお願いします。‬

#書き出しと終わり

https://shindanmaker.com/801664

700文字ちょっとです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ