385/419
ひねくれ者
使用お題ひとつ
耳触りのいいその声が、好きだと思った。それなのにふと聞いた耳触りのよい声音と言葉はとんと俺には向けられない。宥めすかしたり脅したり、それでもおまえは笑って罵倒してくるばかり。
俺はおまえを好きだなんて言わないけれどおまえからの優しい言葉を聞きたいんだ。
「ズルい」
頬に空気をため込んでちくちくする音をこぼす。
「あーぁ、どっかにいい奴いないかなぁ」
どうして耳触りのいい優しい言葉が出てこないのか本当は知ってる。
それでも欲しいもののために動けない俺はいつだってかわいいおまえに腹が立ったから、嫌がると知りながらその脇腹をつついてやった。
「耳触りのいいその声が、好きだと思った」で始まり「腹が立ったから、脇腹をつついてやった」で終わります。
#こんなお話いかがですか
https://shindanmaker.com/804548




