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俺をだれだと思ってる
使用お題ひとつ
「全てが俺の都合に決まっているだろう。俺をだれだと思ってるんだ」
少し反らし気味の姿勢。僕よりいくらか高い身長からおりてくる高圧的な言葉選びに声。
苦手な理由を理路整然と並べてみたらそれはきっと心を闇で塗り潰す作業になるとわかるから目をどこまでも逸らしておく。
君と僕との微妙な距離はお互いに排斥するほどでもなく、だからといってへばりつくわけでもないドライな依存。僕はそんなふうに思ってる。
「お狐様かな」
君はふふんと胸を張って幾度も頷く。
「俺がなぜ人の都合に縛られねばならん」
「晩ごはんにお豆腐屋さんの油揚げ買ってきたんだけど。あと、炊き込みごはん」
「味噌汁はあと味噌を溶かすだけだぞ!」
手のひらをくるーり返した君は尻尾と耳を隠すことを捨てている。
いそいそと茶碗を二膳準備するお狐様に僕は笑いを噛み殺す。
お題は『心を闇で塗りつぶす・理路整然と並べてみたら・俺を誰だと思ってる・全てが俺の都合・君と僕の微妙な距離』です
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