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真珠玉
使用お題ひとつ
淡い夢を見ていた。
海の底で緩やかにまどろんで。
あこや貝の衝立に身を寄せてころりとした真珠玉を弄んで。
遠く遠く響く歌声に手を伸ばし、耳を傾けてやわらかな白い夢を見る。
やわらかな青い空の下、緑のくさはらをかける子供が白い海鳥を見送る。
木漏れ日の下居眠る旅の楽士。
城壁の上で見張る兵士。
湖のかたわらで恋をささやき合う恋人たち。
海の底でまどろんで。
やわらかな夢を見てる。
昨日沈んでしまった人々の終わってしまった今日の夢。
ころりと真珠玉が夢を見てる。
夢はいつしかとけていく。
明日を生きるものはとける真珠玉にならない。
海の底でまどろんで。
真珠玉を慈しむ。
優しい眠りも残酷な現実もある。
静寂がしめる海の底。
だからこそ世界は美しい。
「淡い夢を見ていた」で始まって、「だからこそ世界は美しい」で終わる物語を書いて欲しいです。可愛い話だと嬉しいです。
#書き出しと終わり
https://shindanmaker.com/828102
可愛くならない…




