星降りの夜に
使用お題ひとつ
星が降る夜に素足で砂浜を歩く。
波音のむこうから私の名前が呼ばれてる。
寄せては返す白い波。黒い水面はどこまでも深くて星あかりを吸い込んでいるよう。
「私の娘は健やかかね」
波音に紛れて聞こえる問いかけに私は波に素足を浸す。
寄せては返す波の冷たさとぬくもり。
きっと今ここは世界で一番安全な場所。
つまらない不安が瞳からぽろぽろとこぼれていく。
真っ暗な海がどこまでも受けとめてくれる。
潮騒はどこまでも受けとめてくれる。
そっと濡れた風が髪をなぶっていく。
「私の娘はゆけるかね」
「大丈夫。欲しいものなんてわからない。どうなりたいのかなんてわからない」
それでも、私は波に愛の呼び声を知る。
海の青さに夜の暗さに身をそわせ、私はさざなみに足を遊ばせる。
迷いも不安も夜の海に吸いとってもらったの。
きっとひと眠りして目が覚めれば良い一日がはじまる。
星が降る夜に気分を変える儀式。
「さぁ愛しい私の娘よ。健やかにあれ」
そう、私が私らしくあるために。
「星が降る夜に」で始まって、「私らしくあるために」で終わる物語を書いて欲しいです。不思議な話だと嬉しいです。
#書き出しと終わり
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