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明日の空
使用お題ひとつ
幼かったあの頃、まばゆい白いシャツに袖を通す人はだれも彼もとても大人に見えた。それはもう白ければ白いほどカッコよく見えた。いつか、いくつもの明日の空をこえれば自分も大人になるのだと妄想した。今、白いシャツに袖を通す。まばゆい白いシャツに夢は残っていない。
幼かった私には白いシャツは大人の象徴だったんだと思う。でも、私は自分が大人になれたとは思えない。『なんでもできる大人』なんてただの妄想だと思ってしまう。白いシャツを着て『なにもなしえない自分』に幻滅していく。思い描いた明日の空は晴れまなく暗雲曇天。雷ひとつ煌めかない。
白いシャツを見上げるきらきらした瞳にあの頃の私を見た。
さいごになにかをそう見上げたのはいつだろう?
明日の空は曇天でもきっといつかの空は眩しい空。
【妄想】
【幼かった】
【明日の空】
【白いシャツ】の単語カードを引きました。
それでは、善い創作を…
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