ちゃんとプランだてるかも知れないプロローグ
使用お題みっつ
我が越してきたこの街は人の王が支配する城塞都市。祖先の遺産を我は引き取りにきたのだ。遺産は屋敷とそこに眠っていた人工知能を納められた魔法人形。魔法人形は下僕と登録しおった。ふざけるな。同時に愉快でもあった。魔王であることを伏せ魔法人形の執事として起動時の街破壊の借財を返済してゆく。なん、この縛りプレイ!?
執事はそれらしい制服を着用すべきだと魔法人形は主張する。白いシャツダークグレーのベストと上着。ゴーグルはつけていていいそうだ。素顔を晒して人の王都で暮らしてゆく気はない。
ところで暮らしているのは屋敷があったあとにかろうじて残った門番小屋が現在の拠点である。
魔法人形ディカキルケッドの起動時の暴発で屋敷が屋敷跡となり、騒音罪と公道部分の破損。隣家へ迷惑料として賠償金を請求されたのだ。それだけでよく済んだなとも思う。のちに聞き回るといつ崩壊するかわからないお化け屋敷がなくなり、住人がわかったことで特に問題視されていなかったらしい。いいのか。人の王国。
「なにを言ってるんだい。賠償金を払い終えるまでは警戒中だし、その間に人柄も知れるだろ?」
酒場のオッさんがそう言って笑う。
「はぁ」
この酒場のオッさんはこの地区でいろんな雑用を引き受け、仕事を求めている客に割り振るという副業もしているオッさんだ。ついでにいうと保護観察役でもある。
今のところ我が受けた依頼は配送依頼ばかりではあるが、屋敷を立て直す資金も賠償金の支払いも足しにはならんな。焼け石に水すぎる。
「そういえばなぁ。嬢ちゃんが討伐依頼受けたがってるって噂がきてるぞ」
オッさんの言葉に飲んでいた水を吹くかと思った。
我は魔王である。
我は我に膝を折るモノは食用以外傷つけるつもりはない。無論、部下は勝手にしろ。弱者を敢えて救済はしない。ゆえに率先して魔物討伐する気はないのだ。詳しく聞けば盗賊退治らしいが、まぁやり過ぎるからやめておくが無難だろう。
オッさんの酒場以外にも依頼を扱っている口入屋があり、そちらはギルドと呼ばれている。
そっちか!
勝手に出歩くな常識もないくせに!
そう。我以上の常識なしの分際で!
「まぁ、嬢ちゃんは登録できんから。ただあまり出歩かせるのは良くないぞ?」
そう、賠償金を払い終えるまでは我ら地味に罪人扱いだからな。
支払いが終わるまで口入屋は登録できないのだ。そう言っているんだがあの人形の理解が悪い。また注意しておかねば。
……我、魔王よな?
大洋を望む海辺に位置し、ささやかながら港をもつ人口約四千人の城塞都市。
まだ歴史は浅いが活気にあふれている。霊能スポットとしても密かに有名であり一部のマニアが足繁く通うらしい。
#あなたのファンタジー世界の町設定
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鬱展開ブレイカーな執事と、その執事に恋する人工知能が、途方もない額の借金を返すためにに冒険して、最後に切ない別れをする物語
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王都に越してきたばかりの魔王。口が悪く粗暴だが、実は寂しがり屋である。
髪は銀、ゴーグルをつけており服装にはあまりこだわらない。
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