表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自縄遊戯  作者: とにあ
31/419

白月

使用お題はひとつ

 


 少女は夕暮れの中走っていた。

 誰にも会いたくなかった。

 泣いてる姿なんか誰にも見せたくなかった。

 何かがあったわけじゃない。

 虐められたわけでも何かができなかったわけでもなくて、いや、できなかったからだと少女は思う。

 ふいにこみ上げた感情が押さえ込みきれずに涙がこぼれたのだから。

 誰にも呼び止められない速さで走った。タイミングよく人通りのない道を。

 道の横に広がる畑。

 遠くからも少女が行くのは確認できただろう。

 速度を緩めて走りから歩きへと変わる。

 とぼとぼ歩く少女の頬は涙で突っ張る。

 ぐいぐいと袖で拭う涙。

 大きく息を吐いて丸まった背をきゅっと伸ばす。

 一歩、少女は歩みを進める。

 道は石階段。森の道を進む。上り坂。次第に重くなる足。呼吸が荒くなる。

 上りきれば、さぁっと吹く風が少女の髪を揺する。舞い踊る髪を払った視界に映る白の月。

 少女の頬を涙が伝う。

お題は〔あいたくない〕です。

〔「かぎかっこ」の使用禁止〕かつ〔「走る」描写必須〕で書いてみましょう。

http://shindanmaker.com/467090

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ