別離の出逢い
使用お題ふたつ
黄色いひよこ色の帽子。
紺色の半ズボンに紺のスモック。
ぽてぽて歩く小さな子供。
「どこに行くのかね?」
小さな子供は幼い顔に似合わないうつろな目で見上げてくる。
「どこにも……」
「そうか」
「なに? なんでみてるの?」
「何となくだ」
「ぼく、さよならいいにきたの」
子供はうつろなまま呟く。
「誰にだい?」
「知らない」
問えば、つまらなさそうに返る言葉。
「そうか」
相槌でなく呟き、思ったコトを伝えよう。
「わかるまで、来ないか?」
「いつまで?」
うつろな眼差しを合わせるコトなく君は尋ねる。
「伝えたい相手に伝えられるまで」
差し出した手を疑うように子供は見つめる。
「君は一人でどこに行くのかな?」
わからないと伝えたコトが伝わっていないとばかりに不満を匂わせる表情で見上げてくる。
「わかるまで、そばにいるといい。一人でいる必要はないだろう。私はこれでも探偵だ。力になれるコトもあるさ」
長い思いの外長い思考の後、ゆっくりとのせられる小さな手が愛おしい。
告げたい言葉が別れでも、それでも会いにきてくれたのだ。
私は告げない。
私は君を知っていると伝えない。
幾度、生まれ変わろうと君だけは見分けられる。
愛してるのだから。
世界に裏切り続けられた幼稚園児とまったく役に立たない探偵が、期間限定の相棒(或いは共犯)になる話書いてー。 http://shindanmaker.com/151526
しんだことに気づいていない幼稚園児と前世から愛してると言う電波な子の一方通行な恩返しの話書いてー。 http://shindanmaker.com/151526




