絶対にもう会わない別れ方
使用お題ひとつ
「今までのことが全て無駄だったんだ。お前が好きだなんて気の迷いで錯覚だと打ち消したくて、なんとも思っていないと証明したかっただけだったのに。全部、無駄だったんだ。お前が他の誰かに笑うのが恥ずかしげに頬を赤らめている姿が見えると苛立たしいのは嫌いだと思い込みたかったんだ」
伝えたかったことは『君が好きだ』だっただけなのに。
「だめよ。全てなかったことになんかできないから。あなたは確かに打ち消したの。あなたへの好意も私の自尊心もすべて。だから、私はあなたにもう会わない。私はあなたが忘れてくれると嬉しいのだけど。今までのことが全て無駄だったのは残念でしかないわ。ねぇ……さよなら」
届かないと知っている。あなたが後悔していてもそれは私に届かない。
ねぇ、意味などないわよ。
パラパラと散った髪の毛を見下ろして笑う。
「お掃除しなくっちゃ」
自分の声がヒビ割れて聞こえる。
どうして嫌われたのかわからない。
なにが気にいらないのかわからない。
部屋を掃除する足どりがフラつく。
ちゃんと眠れないのはいつからだろう?
ごはんが食べられなくなったのはいつからだろう?
「お掃除しなくっちゃ」
いらないものを捨てていらないものを捨ててお掃除しなくっちゃ。
いらないゴミを捨てた部屋はすっきり空っぽ。
「お掃除しなくっちゃ」
出かけるのも億劫で、私は階段を上がるだけ。
夜の屋上はとても綺麗。
「お掃除しなくっちゃ」
「今までのことが全て無駄だったんだ」
#この台詞から妄想するなら
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