敗北感
使用お題ひとつ
「姉さんはね。かっこいいんだよ」
「そうなんですか。お姉さんが大好きなんですね」
「うん。だーいすき」
足をバタバタさせているのだろう壁を蹴る音に嬉しげに握りしめるフォークがざっくりと今日のメニューの小海老のフリッターに突き刺さる。
レモン塩のお皿に一瞬つけて口に放り込む。口元でフォークがゆらゆら踊っている。
いつもながら着ぐるみ装備で器用に食べるなぁと感心する。
料理を突く彼女の露出はいつも通り最小で。それなのに見えない表情がきっと愛らしく笑っていると妙に確信できてそれがまた照れ臭い。
「んーーー。おっいしぃっ!」
そんな声と共にフォークが踊る。
食べる合間に姉自慢。
テーブルに並べた料理がもう少し減るまで君の話を聞いていよう。
「てんちょーの作る料理は本当においしいよね!」
「愛情込めてますから」
貴女がおいしいと言って食べてくれる姿が大好きです。
「ふゎあ。さっすがプロ。てんちょーカッコいい!」
えへへと笑い声。顎のあたりに手を置いてたぶんこちらを見つめていそうな彼女に動悸が激しくなっていく。
「で、デザート準備しますね」
視線に耐えられなくて視線を外した僕はもう敗北感。
君には本当に勝てないと思う。
「楽しみ〜!」
貴方は暇だったら『相手が話しているのを頬杖をついて幸せそうに聞いている〇〇』をかいてみましょう。幸せにしてあげてください。
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