孤独の月(後半
使用お題ひとつ
⑥待つ
くらい中で時を待つ。
ぎゅうぎゅうと精一杯体を縮めて。
恐怖と期待に打ち震える体を縮めて。
時を待つ。
私はここにいると歌う日を待つ。
私の出番。
誰か見てくれる?
でも、誰にも見つかりたくないかもしれない。
私は待っている。
ひとりの終わり。
⑦現実
笑ってる。
たわいない会話。
上滑りしてゆく言葉。
その場だけ。
繋がってる?
渇いた心ひび割れていく。
水をください。
感じられないのです痛みも喜びも。
世界は闇に染まる。
ひと時の安らぎ。
現実ってなんですか?
⑧思い出
あなたは笑っています。
そう、思い出の中のあなたは笑顔。
だから、私も笑っていたい。
あなたの記憶に残る私が笑顔であるように。
あなたの思い出の私は笑ってますか?
⑨親
私は貴方がいなければ此処にはいないのです。
貴方がいたからここにいます。
「おかあさん。おとうさん」
それでもそこにいないのが普通だったのです。
親は私がここにいるために必要だけど。
そこにいるのは当たり前ではなかったのです。
血の連なりは必然で。
命の絆は必要で。
心の絆は築けなければ、結ばなければ確実ではないのです。
私に不満などなかったのです。
いなくても満たされていたのです。
知らないものは欲しがりようもないのですから。
⑩月
ぽっかりと浮かぶ船は三日月。
ゆっくり貴婦人の横顔。
月は女神?
それとも男神?
月は海に連なる。
たゆたう海月。ふわり淡い光。
空に浮かび雲に揺らぐ空という大海に生きるたった一匹の海月。
月の女神は聖なる処女神か人に恋し愛しい人の時を眠りに留めた愛の女神か。
はたまた母たる女を守る月の男神か。
月よ月よ。
月に住まうは兎か蟹か。
ふうわりふうわり。
大海に浮かぶ海月の夢。
あなたへの10のお題は
1:カーテン
2:強欲
3:子ども
4:風
5:春休み
6:持つ
7:現実
8:思い出
9:親
10:月
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