最果てロジカル
使用お題みっつ
全部全部終わらせたんだ。
手の中にある鉄の塊はただただ重く心のよどみを吸い取ってくれた。
致死量を超えた暗い罪悪のよどみは貴女の驚愕によって昇華した。
よどみが消えてすっきりしたから俺は住まいに火をかけその地下室におりたんだ。
ほしいものが満たされた俺は本当に清々しく満足だったんだ。
これ以上ない自由を感じて幸せだった。
ただ、寒かったから。
眠るならあたたかく眠りたかったんだ。
それなのに、目覚めて出てきたら君がいた。
目覚めなきゃいけないなんて思ってなかったのに。
きっとここは地獄だろうな。
じゃあ、君は地獄の獄卒?
僕は何もかも終わらせたいんだ。
必要なノルマがあるなら教えてほしい。さっさと終わらせて今度こそ眠り続けたいんだ。
君はクセの強い髪を人差し指に絡めながら笑ってる。
「ここは約束の地。貴方は泡」
君の言葉はわかるけれど、君の言葉がわからない。
俺に誰かを理解するのは難易度が高すぎるんだ。だって俺のことすら理解できないのだから。
ああ。本当に俺は『普通』になれない『罪の子供』なんだ。
呪いのようにこびりつく貴女の嗤いが俺に沁みついている。貴女が消えたから綺麗に昇華したと思ったよどみが誰かと言葉を交わすたび、視線を交わすたび、存在を無視されるたびに戻ってくる。
鉄の塊によどみの銃弾がたまっていく。貴女はいない。俺は二度、貴女を母を殺せるのか?
割れた体温計。ガラスと丸い液体金属。小瓶には液体。春の朝の果実。
ゆっくりとめぐる観覧車。外を見ることなくただ君を見つめる。
「それで、変わる気はあるの?」
そう言われて俺は横に首を振る。
変わる気なんかない。俺が変われることはない。
ベンチで片膝を抱えた君は楽しそうに笑ってる。
俺はこの地獄にきてからずっと君に引き回されている。
君の言葉はいつだって意味不明。
わかるのにわかれない言葉はとても困惑を誘う。
「自由になりたい?」
君が差し出すのは小瓶。
「これは孤独な欲望で満たした小瓶。これは世界を殺す致死量の毒。ここはあなたの物語」
君は笑ってる。
俺が選ぶべき道はわからなくて鉄の塊が重くなっていく。
「今朝早く咲いたよ。君へ贈る花が」
俺はひとり閉じた滅びの世界で花を育てる。
「君のこの物語には相応に張りつめた結末を。俺は君の笑顔が欲しかったんだ」
【年齢】16歳
【凶器】拳銃
【自己PR】
俺は罪を犯した母のいる子供だった。ここは何処だ、全て終わって地下室の扉を開けたら此処にいた。地獄かな…まあ、どっちにしろ仲間なんていないから。
#狂気と子供
https://shindanmaker.com/699232
【テーマ】
・孤独な欲望で満たした小瓶
・それで、変わる気はあるの?
・この物語には相応に張りつめた結末を。
・最果てロジカル
・約束された彼の地に贈られた泡
#とど診断
https://shindanmaker.com/699326
ご提案するのは、「致死量」、「観覧車」、「今朝早く咲いたよ」、「水銀体温計」、「春の朝の果実」の五つのお題です。
#5odai
https://shindanmaker.com/114923




