愛憎シーソー
使用お題ひとつ
「愛してやると言ったのにおまえはなにが気に入らない?」
押しつけられてくれてやるとばかりに投げ捨てるように与えられる施しの愛なんかいらない。
めまいを引き起こすほどの強い力で揺さぶられて視界がブレる。
ああ、そんなこともわからないのか。
誰もがおまえに選ばれ愛されることを、投げ捨てられる敬意のない愛を喜ぶ環境で育ったおまえにはわからないよな。
おれの具合悪そうな様子に気がついたのか、自分がしでかしてることに意識が向いたらしい。
かわいそうなほどに青ざめて自分の手のひらを見下ろしてる。
おまえが揺さぶりかけるから、おれの体調は最悪さ。
なにかを言おうと動く口は音が伴わない。
知ってる。
謝ることを教えられず、許されず育ったおまえにはもし、罪悪感が湧き上がっていると言うのなら。ああ、どうしようもなく処理不能だろうな。
「不快ですか?」
不快だろう。間違いなく。
しかし、おまえがそれを認めれば、おまえから不快を取り除くため、おれは殺される。
おまえがおれを欲していると言うのなら、拷問を重ねて心を殺すだろうさ。
それを知っているおまえは不快を認められないんだ。
今、手放せば、次に会うおれはおまえが欲しいおれじゃないんだろう?
大声で笑ってやりたい。
おまえはなにも得ることはできないと突きつけることが出来たこの達成感!
たとえ、この瞬間不敬であると処分されても快感と言えるだろう。
人生すべての勝者はおまえだろう。
そのおまえに無自覚でいられない不快を刻む。
わからないだろう?
この高揚感が!
傷つけよ。
「なにが不服だ?」
睨んでくる視線に含まれる困惑混迷不安。
傷ついた?
きずついた?
不服?
不満?
なにが?
投げ捨てられる、投げ与えられる愛なんかいらない。
なあ、おまえの中でそれは特別なものになれるのか?
不満に決まってるだろう?
「愛を施されるコトですよ」
ほどこしは特別になりえない。
おれはおまえの中で特別なものになりたい。
ああ。結局、おまえは受け入れられるんだ。
真実、否定されることをおまえは知らぬまま生きるんだ。
口惜しい。
悔しい。
おれはおまえをどこまで傷つけられる?
わからないって顔で拗ねた視線。
「あなたの愛はいらない」
不要と言われて眉間にシワ。
感情が隠せず踊らされてくれている。
「あなたが嫌いだ」
おれの心を捉え惹きつけるおまえが憎い。
おれはどこまでもその他大勢。
「俺がおまえを欲しいんだ」
なぜ拒絶するのかとおまえは不思議そうで、理解してくれない。
違うか。
正しくおれがおまえを好いていると知らず理解しているんだろうさ。
「体が?」
「すべてを」
ああ。
おれとおまえ。
どちらが欲深いのだろうな。
投げ与えられる愛情よりも、焦がれる憎悪を望むんだ。
「私はあなたに憎まれたい。愛情より憎悪が欲しい」
きっと、おまえは理解できないだろう?
1.愛してやると言ったのに
2.静かに、静かに
3.燻る恋心
4.泣かないで、笑ってよ
の中で一番多かったお題を書いてください。
#お題アンケ
https://shindanmaker.com/601337
1番のお題となっております。
BL解釈でも、おれっ子解釈でもお好きな配役で♡




