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コンセント
使用お題ひとつ
目をこすって伸びをする。
バキバキと固まった筋が急な動きに抵抗するような音をたてていく。
どのくらい眠っていたのだろうか。窓から差し込む赤い光は闇に侵食されて行くようだ。
ほうっと息を吐く。
窓からにじり寄る冷えこみはわずらわしい。それでもたった一枚のカーテンを引くその手間を惜しまざるを得ない。
「カーテン、しめてくれよ」
音に変えた願いはあっさりと叶えられた。
「おかえり。ありがとう」
「ただいま、どういたしまして」
帰ってきた家人は明らかに不機嫌で。気難しさに首を傾げざるを得ない。
「なにか、トラブルか?」
保冷機能付きエコバッグを担いだまま、キッチンに向かう姿を目で追う。
「問題です」
「おう」
「こたつで寝るなと何度忠告しているでしょうか?」
俺は答えに詰まる。
だって、こたつは魔物だろう?
至福の熱を持って俺を捉える。
「仕方ない。俺はこたつむりなんだよ」
翌日、俺はコンセントを隠蔽されたこたつを前に膝をつくハメにおちいった。
夕暮れ
こたつ
問題です
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