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ペットボトル
使用お題ひとつ
しなやかに曲がる腕。
その先の手首。
透明なプラスチックの光沢ごしに煌めく水滴。
ゆっくりと視線をずらせばプラスチック容器の中の液体があなたの唇に吸い込まれていく。
ペットボトルがかいた汗をぬぐったタオルをかけた首。
焦るように水分を吸収、嚥下していく喉の動き。
直視もできないし、目がはなせない。
「どうしたんだよ」
ペットボトルのキャップをしめながらあなたが私に笑いかける。
不用意なあなたの笑顔に私の動悸は激しくて、ただ俯いて何でもないと頭を振るばかり。
「変な奴」
肩に回されたあなたの腕のぬくもりに心臓が、呼吸が、止まりそう。
「ドリンク、サンキューな」
意図などないのかもしれない抱擁に誤解してしまいそう。
わかってる。
ただの幼馴染みだって。
動悸が激しくて熱くてあなたの声が聞こえない。
「おーい、聞けよ。もどってこーい。おれの彼女様~」
とにあさんはペットボトルと腕でかいてみましょう。
#mix_お題
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