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自縄遊戯  作者: とにあ
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羽ばたく

使用お題はひとつ

 しんしんと降る雪のようにすべてを覆い隠してしまいたい。

 すべての悲しみを埋めた冬が、凍てつき白く覆い隠されたすべて。

 助けて欲しくても誰もいない。

 吐く息も白く白に沈む。

 どこまでも白に。








 どのくらいの時が流れたのか。

 目をあければ青い空。

 白はある。

 白い白い雲。

 白い白い日差し。

 小鳥が梢で歌う。

 世界は生を謳歌し歓喜する。

 伸ばした指におりてきた小鳥。


 抱きしめよう。


「寒いの」


 小鳥は歌う。

 訪れた夏を喜んで。

 そうして私を目覚めさせる。


 世界は夏。


 私は手を伸ばす。

 届かぬと気がつきつつも小鳥を抱く。


 ぱきりと凍る羽ばたき。




 私は冬の娘。



 しんしんと世界を凍らせる。


 私の目覚めは、冬の訪れ。

 

 孤独な死への誘い。



 白い雪が小鳥の羽のように舞い落ちる。


 嬉しいのに。

 好きな小鳥の羽のように可愛いのに。

 足元に氷の欠片がたまっていく。




 私は独りまた眠りにつく。



三題噺のお題は『喜び』『小鳥』『夏』です。 http://shindanmaker.com/493831


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