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写真
使用お題ひとつ
ノイエとミゼットは双子のように育った。
二人とも早くに両親をなくし同じ養父母に預けられ育った。
同じように環境を整えられ同じように要求を叶えられる環境。
二人の少女は美しく育った。
家の望む役割をつつがなくこなすノイエ。
明るく命がけのバカな真似をしやすいミゼット。
その二人が写った写真。
「バカな女」
飾り気のないネイビーのワンピースの女にじゃれつく白地に多色の花柄プリントのスリットドレスの女。
まさに光と影のようにくっきりした役割り分担が写真からは受け取れる。
二人とも身勝手な女だった。
「ノイエなんて嫌いだわ」
写真が揺れる。ブレる。
「ミゼットなんて嫌いだわ」
揺れる小声は消えていく。
「おい。時間だぜ」
男の声に女が立ち上がる。
女は緩く笑う。
「ええ。今いくわ」
声を出さずに魔法をかける。
『あなたは綺麗で最高よ。その欠片を分けてミゼット』
『ノイエったらバカねぇ。失敗なんてないわ！』
部屋では男がなにも描かれていないハガキを拾って首を捻っていた。
褒められることに不慣れな悪女と全力で捨て身の笑いを狙ってくる美女が記録した「写真」に纏わる物語書いてー。
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