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自縄遊戯  作者: とにあ
241/419

赤い罠

使用お題ふたつ

 君が幸せなら嬉しいんだ。

 あなたがそう言ってはにかむから少しだけ意地悪しちゃう。

「無償の愛なんて、偽物だよ」

 不思議そうに笑う笑顔が好き。

「偽物だってイイよ。君がそのまま笑っていられるなら。むしろ狸でもいいわけだし」

「私は、ネネは偽物だなんていや」

 なんで偽物だってイイよなんて言うの?

 本物だって言うとこだよ!?

 狸だったら本物だと言うの?

 一歩、一歩、近付いて私の心を虜にして。それなのに偽物だってイイよなんて認めない。

「あのね、ネネ」

 優しく言い聞かせるようなあなたの声。

 ああ、もう。大好き。

「無償のものなんてないんだよ。ネネは、ちゃんと幸せに笑って、おれを幸せにしてくれているんだからさ」

 ぽぅっと熱がのぼる。

「泣かせたくないんだよ」

「泣いたりしない!」

 ただちょっとタイガくんのかっこよさに感動してただけ。

「閉じこめて独占したくなるんだ。他の誰かに笑いかけてたらイラついたりね。怖いだろう?」

「してもイイよ?」

 ついそう答えてしまう。

 タイガくんが望むなら、いいよ?

 すっごくドキドキする。ちょっと危険なタイガくんもそそるの。

「駄目だよ。ネネがしたいことはたくさんあるだろう。できなくなればきっと後悔する。後悔させた自分がきっとおれは許せない。それなのにそんなネネも見たいと思う。こんな歪んだ愛でいいなら、いくらでも。でもこれは無償の愛なんてものでなく、支払いはネネの今と未来だよ」

 ポロっと涙をこぼせば、きっと抱きしめてくれる。

 小指に絡む赤い糸。

 つながっている先はタイガくんじゃなきゃイヤだ。

 イヤなコト、言わせたコトに小さな罪悪感。

 でも、それ以上にネネはタイガくんが望んでることが嬉しいんだ。

 一歩、一歩、確実にネネはタイガくんを絡めとる。

「狸になる魔法探すね!」

「なんでそうなる!?」

とにあに捧げるお題:『小指に絡む赤い糸』/『小さな罪悪感』

#odai_feltxxx

https://shindanmaker.com/538989

【ネネへ三つのお題】一歩、一歩、近付いて/無償の愛なんて、偽物だ/歪んだ愛で良いなら、いくらでも。

shindanmaker.com/212437

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