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永遠の囚人
使用お題ひとつ
手を取る。
引かれ引き戻された頭が静かに床に沈む。
その落ちてゆく目が写したのは固い床か、それとも己が髪が舞う様か。
鈍い音が数度響き粘性の音が聞こえてくる。
薄紅の真珠貝の光沢を持つ指がするりとゆるく上下する服をなぞる。
我が指先は迷うことなく肉を突き破り心臓を抉り抜く。
それは神々しき儀式。
神に捧げる心の中心を神へと神へと。
愛おしい人よ。
あなたは神になる。
神に捧げられ我が神となる。
あなたの聖色は赤。
黒き衣まとい我は仕え続けよう。
甘い甘い赤の色。
我は人たる日を捨てよう。
愛おしい人よ。
あなたは我が神。
我は人ならざる者。
シロガネの器のうちで黒々とあろう。
手を取る。
あなたの手を取る。
あなたは我が神。
我が意思は神によりくだされた。
あなたは神。
我は仕え続けよう。
神を忘れることなくあろう。
永遠の存在たることを我が神に捧げん。
とにあへのお題は〔手を取る〕です。
〔「!」の使用禁止〕かつ〔キーワード「心臓」必須〕で書いてみましょう。
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