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自縄遊戯  作者: とにあ
234/419

土砂降り

使用お題ひとつ

 窓の外は土砂降りの雨。

 自分たち以外はいない教室。

「傘、持ってる?」

「持ってねぇよ」

「使えないなぁ」

「折りたたみぐらい持ってろよ。女だろ」

「差別反対ー。あー、やまないねぇ」

「やまねぇな。つか机に足のせんなよ」

「えーアキものせてるー」

「俺はいーの。スカート女子はダメだって」

「ネネはタイガくんがお迎え来てくれると嬉しいなぁ」

「ソレ、俺のお迎えじゃね?」

「アキのくせにタイガくんがお迎えに来てくれるかもとかってずるいー」

「どっちかっつーとマリンねぇの方が可能性高いかなぁ」

「ネネはタイガくんがいい」

「携帯で呼んでみればー?」

「充電きれてるんだもん。電池忘れたし!」

「あー、マヌケ」

「ひっどーい」

 ぷくりと膨らんほっぺたで教室の窓を覗く。歩く動きにあわせてサラサラと黒髪が背中を流れていく。

 黙っていれば清楚系美人。

「やまないねぇ」

 嫌いじゃない猫のような気まぐれ幼馴染みとのエンドレスな会話。

 服の内側でおきた振動がこの時間の終わりを告げる。

「タカノブにいちゃんが迎えに来たってさ」

「えー、なんでおにーちゃんなのよぅ」

「うっわ、ひっでぇ反応。言いつけてやる」

「えー、ダメだって。ネネが怒られるじゃない」

「怒られろよ」

 会話しながら鞄をつかみ、二人で教室をあとにする。

 無意味な会話。階段は二段飛ばし。

 ネネの表情が変わる。

 弾むように階段を駆けおりていく。

「滑るから気をつけて」

「タイガくんがいるぅ!」

 嬉しそうなネネの声。

 振り返ってネネが笑う。

「アキ、タイガくんがお迎えに来てくれたよっ」

 土砂降りの雨がそこだけ晴れてる。

 良かったなと笑いかけつつ、置き傘コーナーからボロ傘を一本引き抜く。

 歩き出して気がついたことは、雨の向きであんまり傘が意味がないことか。

 雨が降っている。




「バカみたいだ」




本日のとにあのドM向け3種のお題は

「学校」設定/「味覚の表現」禁止/「天候の表現」使用

です!

https://shindanmaker.com/657811

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