親友の部屋
使用お題はひとつ
二人は幼馴染の親友同士。
いつだってどちらかの部屋でお互いに好きなことをして過している。
携帯ゲームに読書。
緩やかに過ぎていく沈黙の時間。
「俺さぁ」
「ん~?」
「裕未が好きだわ」
唐突に破られる沈黙。
ページをくる手の動きがぴたりと止まる。
少し間をおいて、ページがまた動く。その反応にゲーム機を弄りつつ不満をぶつける。
「なんか、言うことないわけ?」
「別におれは裕未と付き合ってるわけじゃない。決めるのは裕未だろう?」
文字に視線を走らせつつつまらなさげに答える。
「でも、お前だって裕未が好きなんだろ!?」
ぱらりと本をくる音。乱雑に叩きつけられるゲーム機。
「嫌い、だとは言っていない。決めるのは裕未だろう?」
「そればっかりかよ!?」
泣きそうに不満をぶつける親友に本を閉じる。
「あまり騒ぐな。それにセーブ大丈夫か?」
「えっ!? うわぁあああ。デートとんでるぅううう」
「セーブは?」
喚く親友に困ったように確認すると、少し沈んだ声が返ってくる。
「今日はじめたトコから……」
「馬鹿?」
「お前なんか友達じゃねぇええええ」
怒鳴り声を聞きながら水に粉末を混ぜる。
「はいはい。落ち着いて」
「グレープ?」
「グレープはない。レモン」
薄い黄色を帯びた液体。
「お前なんか友達じゃねぇ」
拗ねた口調を気にしたふうもなく、自分用にもジュースを作る。
一口飲んでから落ち着いたことを確認する。
「そうだな。友達じゃないな。親友だな。裕未がどっちを選んでもいいだろ?」
「えー。俺じゃなきゃイヤだ」
「親友の部屋」、「粉末」、「友情の終わり」はいかがですか。スパイスとして「ストーキング」もオススメします。 #ヤンデレお題 http://shindanmaker.com/152555
スパイスは抜きました




