まだるっこしい関係
使用お題みっつ
熱を帯びてじっとりとまつわりつく空気。粘る湿度が肌をひやりと刺激する。
熱を帯びた吐息がこぼれ、黒いプリーツスカートから伸びる影のような黒タイツの足が心もとなげに揺らめく。
強気に微笑むその瞳。その気丈な瞳を裏切り小刻みに震えるほっそりした肩。
「ねぇ、嫌いなの?」
怯えるように伸ばされる指先。
触れても触れなくても壊れそうで、壊しそうで、まだ早いと、もういいだろうと心が惑う。
手を伸ばせばきっと止められない。
「やっぱり、女の子より男の子の方が好きなの!?」
「なんで!?」
そうなるの!?
あまりの言葉に動揺するうちにぼふんと衝撃。胸元に飛び込んできたぬくもり。
ぎゅっとつかまれたシーツが揺れる。
「にゃあ」
シーツを足場に彼女の頭に駆け上ってきた猫が鳴く。
「ごっめーん。マユ、ミーちゃんが逃げ込まなかったぁ?」
彼女の姉の声に彼女は頭上の猫を素早く捕獲する。
無言で猫を引き渡す彼女に笑いながら「お邪魔さまー」と彼女の姉。
ぎこちない空気が流れる。
「イッセイ、マユー。おまたせー。行こうぜー」
階下から響いたシンリの声が最悪の空気を壊す救いの声に聞こえた。
お題は〔最悪〕です。
〔会話文のみ禁止〕かつ〔動物の登場必須〕で書いてみましょう。
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本日のお題は『シーツ』です。
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本日のお題は『黒タイツ』です。
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