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紅花を
使用お題ふたつ
深紅の花をそっと手に握り込む。
赤い花は白い粒に包まれ鮮明さを失っていく。
抱きしめるように抱き砕いて空へ散らそう。
空へ堕ちる赤い花は美しいことだろう。
白みはじめる空を眺めながら赤い赤い花を君に贈ろう。
繰り返されるありふれたさよなら。
何処にもいけないよと君は泣いたけれど、決して留まり続けてはくれないんだ。
僕が触れるものはすべて凍りつく。
大切だと、愛おしいと思うならば僕は手放さなければいけないんだ。
夜明けの白が空気をぬるめていく。
僕の時間はおわり。
私の時間がはじまる。
どうか、朝の熱よ。
凍てつかせることしかできない私をどうか溶かしてほしい。
お題は〔ありふれたさよなら〕です。
〔「?」の使用禁止〕かつ〔「朝」の描写必須〕で書いてみましょう。
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お題は「何処にもいけないよ」「空へ堕ちる」「赤い赤い花を君に」です。
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