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疾風、時々、君ノ気配
使用お題ひとつ
ザンっと強い風が頬をなぶっていく。
サワサワと揺れる伸びやかな草葉。日差しは陰ることを忘れたかのようにきつい。
君がいなくなってどれほど過ぎたろうか。カゴにもいだ野菜を積んであぜ道へと上がる。雑に編んだ帽子が風に揺れる。
日々の暮らしに荒れた手は濃い色に染まり、過去の名残りを感じさせない。
カゴの中を見下ろして今日の食事を考える。
そんな慣れた生活に時おり君を思い出す。
君からすれば消えたのは私だったのだろうか?
強い風は青い匂いを伴って私に君を回想させる。
罪なく無垢に笑う頃。
畑の上をなぐ風が強く早く吹いていく。
【疾風、時々、君ノ気配】をタイトルにお話を考えます。
#お話のタイトル考えったー
https://shindanmaker.com/648546




