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魚影
使用お題ひとつ
ふわりと空気が上がっていく白いライン。
それを追いかける黒い影がいくつも青い世界に模様を描く。
どこまでもどこまでも上を目指す。
それはどこまでも息苦しい。
ブラインドの隙間から覗くセカイはどこまでも灰色で。
どこまでも先を目指す。
先の行く末は見えず、何を目指しているかもわからない。
どこまでもどこまでも先へと急き立てられる。
それはどこまでも息苦しい。
なにを目指して生きてきたのだろう。
灰色の世界は秒刻みでキリキリ縛られて糸の遊びなく動かされる。
躍る姿に人は何を思うのだろう?
呼吸が止まってもキリキリと踊るのだろうか?
ふわりと自由な空気を追いたかった気もするのに追いかけるには絡んだ糸は千切れない。
灰色に縫い留められて青を忘れる。
白を追いかける黒に戻れない。
「魚」がタイトルに入り、「夢」が軸になるお話を書きます。
#su_siro
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