戦天使
使用お題ひとつ
鮮やかな橙色の髪を風になびかせて崖っ縁に立つ天使。
そう、その手には槍。その背には翼。
そんな風に飛び立ちたいとただ見つめていた。
目指していけばいつか辿りつけるさと単純に熱くなれるほど純粋でいられなかった。
すべてを救い守るための戦士になれと周りは望んでいる。
強くなりたい。
強くなれない。
逆らうこともできず、傷つけてその事実に傷つく。
良き戦士だ。
その言葉は確かに称賛なのだろう。
ただ、私にはとても痛い言葉だった。
傷つくことを恐れている。恐れずにはいられない。
逃げ続けているのだ。
戦う事をやめることから逃げ続けている。
誰かを確かに傷つけ続けている。
戦いの場で戦うのは名誉で正しい。
戦いの場から私は逃げたいのだ。
だけど、逃げたと後ろ指を指されることが恐ろしいのだ。
卑怯者臆病者よと罵られることが恐ろしいのだ。
戦う者でありながら逃げるというならば、楽土もまた遠ざかりねじれた苦しみの道が続くという。
私は戦い続けていくだろう。
逃げ続けていくだろう。
私は救いを求めることすら勇気がもてない。
今日のお題
【天使】
【戦士】
【橙髪】
【ヘタレ】
【単純】
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