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夜がくる
使用お題ひとつ
赤みの強い蜂蜜色が半分以上破れた窓の外から射し込んで古ぼけた部屋を幻想に染める。
蜂蜜に染まる部屋はがらんとしてる。
夜へと向かう日差しを浴びながらぎゅっとうずくまってただ正面のベッドを見つめる小さな人影。
ベッドの上は砕けたガラスが光を反射させ煌めいている。
膝を抱きかかえる細い腕がぎこちなく動く。
ぎょろりと瞬きを忘れたかのようなまなこはシーツが覆い隠すベッドの闇から目を離せない。
「ぁあ。夜が、くる」
窓が破られていく。
内側からの真紅の炎に炙られて。
「よるがくる」
誰も助けになどこない赤い夜がくる。
ちょっと退廃的なお題は「煤けたベッド」です。追加お題は「黄昏時の景色」です。イラストの時は「深紅」をメインカラーにしてみましょう。
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