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自縄遊戯  作者: とにあ
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逢いびき電話

使用お題ひとつ

 



「今、何してる?」

 電話の向こうから聞こえてくるキミの声に心が弾む。

 心臓が痛いほどの勢いで血液を送り出して目元が熱い。言葉を返すのに時間がかかってしまう。

 キミが好きで堪らない。

「キミのこと考えてる」

 うわずった気のする言葉を何とか吐き出す。冷静に聞こえているといいなと思う。

「まじかよ」

 笑いのこもったキミの声にやっぱり心臓が痛い。

「どこか遠くに二人で逃げたい」

 我慢できずに吐く本音。

 電話で声しか聞けないのがツライ。

「キミ?」

 どうして黙っちゃうの?

 会いたい。

 会いたい。

 会いたいのに。

「俺のものにしたい、でも、出来ない」

 キミの言葉に震えを感じてるのは私の希望からの幻聴?

「どうして?」

 責めるつもりもないのに声はキツくなっている気がする。

 違う。

 責めているんだ。

 一歩を踏み出してはくれないその惑いに。

「俺のいる場所はふさわしくないんだ。きちゃいけない」

「二人なら、平気よ」

 キミと一緒なら何も怖くない。

 キミはそれなのに頑固に拒否をする。

「キミは私が好きじゃないのね」

 なじるように言葉を紡ぐ。

 私がひどいことを言っている。

 キミを傷つけている。

「……好きだよ。あいしてる。だからダメなんだ。もう、電話してきちゃいけない」

 プツっと切れた電話。

 キミは私を愛してる。

 あと一押しできっと私を受け入れてくれる。

 二十六時の冥界通信。

 私を連れていって。


3つの恋のお題:今、何してる?/どこか遠くに二人で逃げたい/俺のものにしたい、でも、出来ない。

https://shindanmaker.com/125562

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