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フカイ
使用お題ひとつ
「私の心は空より広いらしい」
口に出してみて首を捻る。
何をもってそう言われるのかがわからないのだ。
空は広いのだろう。
見上げる世界は等しく暗い。
世界は有限で手を伸ばせる範囲が世界だ。
世界は広く深く狭く浅い。
手の届く場所など限られてるし有限でない世界は存在していない。
早い話が私の心の関心を引かないだけなのだ。
心が凪いだまま揺らがないのだ。
自身の生死にすら関心が持てない。
覇気がない。
生気がない。
傷つかないわけじゃない。
傷つくことを好むでもない。
ただ、受け入れるだけ。流されるだけ。
広いのかもしれないがきっと水たまりのように浅いのに。
反射する世界に浅さがある。
本当の広さがあればそこにはいったい何が棲むのだろうか?
世界は有限。
ああ。
確かに広いのかもしれない。
狭い世界から見る世界はとても広く高く見えるから。
「私の心は空より広いらしい。」から始まる小説はどうですか?
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