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僕の知らない君の声
使用お題ひとつ
僕は空を見上げる。
真っ青な空はどこまでも続く。
さかさかと枯れた草が足をくすぐる。
世界は青と白しかない。
白く枯れた草は日陰にもならず佇む君を庇わない。
君はふたつのまなこを閉じて、口角を柔らかく上げて微笑んでいる。
青い空の下僕は君のそばで微睡む。
昔は歌をよく歌ったと聞いた。
僕もいつか聞きたくて君のそばから離れない。
たとえ、君に触れることが死に続こうとも。
君に焼き殺されるなら本望だ。
君はただ、佇む。
白い砂漠に置き忘れられた彫像。
お題は〔僕の知らない君の声〕です。
〔推定表現(~らしい、~ようだ)禁止〕かつ〔風景描写必須〕で書いてみましょう。
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