アクアウィッチ☆ハピエンまであと何歩!?
使用お題ひとつ
しかし、条件満たせていない失敗品です
「クリスマスが近いだろう」
同僚がぽつんと呟いた。
「仕事だよなぁ」
「ああ」
ぼやくと笑って返してきた。
それでも客にカップルって奴が増える。
祝福するには人間が出来てないんだ。
「クリスマスプレゼントを考えてないのはまずいと思ってるんだ」
ああ。
忘れてた。
この同僚、職場恋愛中だった。
「兄達は自身を贈ればって言うし、でも、まだ、そーいうのは考えれないし、何が嬉しいのかもわからないんだ」
タレ流された情報はきっと本人マジで悩んでるんだろうと思わせる。
どうしようと呟きを漏らす様子をチラ見すれば、すっごい可愛いと思うよ。恋する女。
先輩、爆死しろ。
そういうことがあったとランチタイムに一緒になった先輩にぼやくと明るく大笑いされた。
「災難だったなぁ」
「先輩も恋人いるんでしょ?」
「ああ。クリスマスも共に過ごすさ。シャーリンと!」
「先輩、それイルカの名前」
「私の恋人だとも!」
魔術士と謳われるほどに先輩はイルカ達を誘導する。
「シャーリンも私を憎からず思ってくれているからな」
眼差しが愛おしそうで羨ましい。
「だからこそ、共に生きる糧を得ている。共働き。素晴らしいな!」
「共働きでいーですから俺なんてどーです?」
「シャーリンは譲らない!」
どさくさまぎれ冗談まみれ。
自由な先輩が好きです。
「先輩がいいんです」
「私はシャーリンがいい」
言いにくそうに先輩が視線を泳がせている。
「私は、人間が信じられないんだ。自分も他人も。信じてないから、受け入れられるんだよ。なにも期待してないんだ」
伝えられた言葉は静かでたぶんこれ以上ないほど本気。
「シャーリンは信じれるのに?」
「私のシャーリンが信じて信頼してくれるのを裏切れないさ」
先輩の眼差しが切なく揺れる。
「人は裏切る。人は期待する」
そう言って軽く頭を振る姿が胸に痛い。
「期待すれば裏切られるんだよ。希望じゃなかっただけで、裏切られたと思うんだ。そこには他から見える真実なんて関係ない。心が冷えていくだけだからね」
どう答えれば、いいのかがわからない。
「俺はきっと期待を裏切ってみせます」
それがいい。
「期待しないでいる先輩がつい期待しちゃうくらい頑張ります。シャーリンの愛だっていつか奪っちゃいますからね!」
先輩がパッと表情を明るくする。
「生意気を言うのはこの口か、半人前」
きゅっと頬をつねられる。
きっと今はこの距離がいい。
先輩がシャーリンに夢中なら他の男は近づかないってことだ。
食後のお茶を流し込んで食器を置き場へともっていく。
仕事頑張ろう。
「滅びろ。リア充」
そう言うと後輩は嬉しそうな複雑そうな表情を浮かべた。
「滅びませんって」
生意気を言う後輩である。
浮かない表情にため息が出る。
「悩みはなんだ」
そんな感情を抱いてカワイコちゃんのところへ行ったら怪我の元だ。
切り替えられないなら吐き出せ。
「なんか、弟と密談してるっぽくて」
視線が泳ぐ。しかし、彼女は浮気とか、そーゆーことができるような器用なタイプではない。たぶん、本人だって本気で疑っているわけじゃないだろう。
「お前の弟、彼女の弟、どっちだ?」
「俺の弟です」
「反抗期の方か、バンドはまってる方か、両方か?」
以前、会話から拾った部分で候補をつけるとこうなる。なぜ驚く。
「反抗期の方です」
そっと後輩の眼差しが和んだ。
家族仲が良くて肝心な場所で信じあえるなら何よりだ。
家族から恋人に感情をシフトさせた誤差はこれからもあるんだろうとは思う。
煩わしい感情だが、まるきり羨ましいと思わずにいられるほど、冷め切ってもいない自身を自覚する。
情けない。
気持ちを切り替えてシャーリンに会いにいく。
寄って来たシャーリンがどこか躊躇う素振りを見せる。
「あはは。ごめんごめん。シャーリンが一番だよ」
最愛のシャーリンに意識を向ける。
シャーリンの芸と愛嬌はとても人の心を捉える。
それにとても彼らは優しいのだ。
心を癒された恩はどこまでも返せない。
きっと、たいした気持ちもない雑談だろう。
それでも、心が揺れた。
期待しない。
期待しないでいれば、それを裏切ってくれるんだろう?
私は期待なんか、しない。
きっと、仕事に忙殺されたイベント日への鬱憤が溜まっていただけだろう。
後輩男子と女性魔術師のカップルで、寝室のシーンを入れたハピエン小説を書いて下さい。
#ハピエン書いて
https://shindanmaker.com/585298
寝室とハピエンどこいった!?
反省中




