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記憶の鎖  作者: 空き缶
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第五話:帰り道

どうしよう!?私・・・ついに告白しちゃった!

微妙に強制だったし・・・・。

ご飯しっかり作れたかしら?

返事は来るの?

ではこうご期待!

by霧月 さつき

第五話


壮絶な告白の後・・・・。



霧月先輩は顔を真っ赤にして、おそらく自分の部屋に逃げ込んでいった。

答えてもいないのに帰るのはどうかと思い、そこでだしてもらった珈琲を飲みながら(苦かったから砂糖を入れた)、

のんびりとどこからか取り出した本を読む。

本を読むこと30分。

8時半になった。


そろそろ帰ろうと呼び出す。


「先輩?起きてますか?」

「起きてるわよ・・・。」


不機嫌な声が帰ってくる。


「入りますよ?」

「っ・・だめっ!」

「そうですか・・・。では答えは明日会ったら話すので、とりあえず今日は帰ります。おじゃましました。」


といい、家を出て、自分の家に戻った。

入学してから大変だ・・・。とりあえず学校へ行こう。

そう思い立ち家を出る。でた瞬間ドアを閉める。正確には閉めようとした。


「ひっでーな、お前。せっかく一緒に登校しようと思ってきたのに。」

「栄介?健介?なんでここに?」


話の内容はふつうだが、行動はものすごい。あけようとしている二人と、閉じようとしている一人。

俺はあきらめドアを押さえる力を緩めた。

その瞬間ドアがものすごい勢いで開く。どんだけ力入れてたんだ?


「というわけで、一緒に行こうじゃないか、空。」

「どんなわけだ!・・・わかったよ・・・。仕方ないし。」

〈というわけで、今日から毎日一緒って言うわけだ。どんまい。〉

「ちょっと・・・それ本気?」

『マジです!』


この後いろいろ説得した結果、用事がなければ一緒に行くと言うことで合意した。

のんびりと駅まで歩く。

改札を通り電車に揺られること、15分。

その間に、俺は先輩のことの調査を依頼した。

こいつらは噂を集めるのが得意だからだ。


そして改札をでて、歩く。

しばらく歩くと、リョウ先輩にあった。


「おはようございます。斑鳩先輩。」

「あ、おっはよー。いっちー。」

「いっちー?誰ですか?」

「あんたのこと!市ヶ谷だからいっちー。わかった?

それと私はリョウって呼んでって言ったでしょ!?」

「はい・・・。わかりました、リョウ先輩。」


話しながら学校へ行く。先輩は栄介と健介を追っ払った後、霧月先輩の話になった。

先輩は昨日の告白のことを元から知っていたようで、詳しいことをいろいろ聞いてきた。

俺は適当に受け答えをしたが。



学校にて


霧月先輩のプロフィール

・霧月さつき(きりづきさつき)

・身長160センチ

・体重は聞けない

・女子サッカー部副部長フォワード

・3年6組

・ミルクティー好き

・斑鳩リョウと仲がいい

・3年の中では一番もてている

・本人に自覚なし

・明るく社交的

・異性とつきあったことは一度もない


等々・・・


「ふっふっふ。俺が情報を集めたんだ。感謝しやがれこのやろう!」

「よく言うよ・・・。俺に任せっきりだったくせに。」

「・・・・・・・・・・。」


沈黙。


今日は久々に弁当を作ってきた。三人分ある。

さっきのお礼と言うことで栄介と健介に弁当を渡した。

こいつらは料理が出来なくて購買で買っていたはず。渡した瞬間栄介に抱きつかれた。


「ありがと〜!!!めっちゃ感謝!金の無駄遣いがなくなった!!!」

「代金は取るよ?150円ね!」

「まぁ、それがふつうだろう?常識を考えろ。」


二人とも観念して150円ずつしてくれた

そして屋上へ行く。


「なんでここで食わないんだ?」

「いつか教える!」


そう受け答えて、走って屋上へ行く。

屋上で待ち合わせをしているのだ。


先生に「走るな!」と注意されたが気にしないで行った。


屋上に上る。誰もいない。だけど俺が来た後に先輩が来た。

今日の待ち合わせ相手。


「こんにちは、先輩。」

「こ・・・こんにちは空君!」


ちょっと緊張したような、高い声で挨拶している。平静に見せようとしているのか、表情を変えないように努力しているように見える。

おもしろい。こっちも笑わないように努力してしまう。

そして微妙な沈黙が降りる。


「・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・。」

「せっ、先輩?とりあえず本題に入りませんか?」

「えっ・・・いいわよ。」

「とりあえず、あのことはお断りします。ですけど理由は嫌いだからじゃないですよ!」


俺の答えを聞いたとたん逃げ出そうとした先輩は、また足を止める。

続きを話す。


「ぼくは先輩のことをよく知りません。先輩が知ってても、ぼくが知らないのでは意味がありません。

だからお試し期間って言うのはどうでしょうか。」

「お試し期間?」

「だからぼくが先輩をもっと知るために、1週間返事を延ばさせてください。お願いします!」

「えっ・・・、いいわよ。」


こうして一連の騒動は、ひとまず収まった。

かに見えただけだった。


「一週間か・・・。長いわね・・・。」




家へ着くため駅へ向かう。なぜだかわからないけど、ちょっとだけいやな予感がした。

そしてその予感は半分現実となる。

後ろからひしっと抱きつかれる。


「・・・・・・・・・。」

「なんで無反応なのよ!」


つっこみを入れられる。振り返る。誰だかは予測がついていた。


「なんで無反応なのよ!」


同じことを二度繰り返している。おもしろい。


「あーおどろいた。これでいいですか?」

「よくない!!!」

「あはは、すいません。ちょっと反応がおもしろくて。・・・で、用事は何なんですか?」

「一緒に帰ろうかな?って思ったり・・・・、してないよ!うん!してない・・・。」

(ちょっと考えればわかりますよ・・・・。)

「じゃあ一緒に帰りましょうか?」

「ふぇ!?ななななな、なんでわかったの???」


・・・・・・・・・・・。

両者の間に沈黙が落ちる。


「ふつうに考えたらわかるものではないのですか???」

「そうだったの・・・。」


落ち込む先輩。とりあえず謝ってからいろんなことを話した。

先輩はいろいろなことを聞いてきた。ほとんどはぐらかしてしまったが・・・。

そして別れるところが来た。俺は電車。先輩は自転車。ここで別れる。


「じゃあさようなら。いろいろ先輩のこと聞けておもしろかったですよ!」

「そんなこと言っても空君ほとんど教えてくれなかったじゃない!またあしたね〜。」


そういって先輩は自転車に乗って、見えなくなった。

俺は電車に乗り込む。

意識もなくつぶやいてしまった。


「ぼくの過去なんか知ったら、絶対にだめだ・・・。」


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