第四話:壮絶なる告白
いきなりリンチされて、そして休んでいた間に昔の友達が現れて・・・
平穏な学校生活の方が楽なはずなのに・・・
でも楽しいと俺は思っています!
by市ヶ谷 空
第四話
完全に疲れきっていた俺は、家に帰ったら即刻寝た。
夢で久しぶりに過去のことを見た。
俺がバッター、ワンアウト満塁。そのときの俺は情けなく、緊張しまくりだった。
これで打てば、決勝へいけたのに。最悪のゲッツーだった。守備もとれなくて負けてしまった。
情けない・・・・。なんて情けないんだろう。
俺は一人で泣いていた・・・。
そしてどうなったんだろう・・・・。
俺が起きたのは七時半だった。
のんびりと朝ご飯を食べ、家を出る。
電車に揺られること15分。
駅に着いた。
そこで変なのにあってしまった。正直言うと変でも何でもないただの人だったが。
「栄介?健介?なにやってんだよ・・・」
彼らはバックをあさっていた。おそらく忘れ物だろう。
問いかけたとたんこっちを向き、すがるような目で見てくる。
こいつらがこんな目をしているときは、必ずと言っていいほど問題に巻き込まれる。
俺は逃げようとした。
捕まった。
「親友がこんなことになっているのに、見捨てるのはひどいんじゃないの〜?」
「俺もそう思うな。というわけで、空。今日グローブ一つかしてくれ。」
そう頼み込まれる。が、断った。
「何でだよ!!!お前野球部だろ?」
「俺は・・・部活に入ってない。」
そういった瞬間、彼らの顔は何かを思いだしたように固まった。
「一週間に一回なら行ってもいいけど、それじゃ部活に迷惑だ。そんなのはだめだと思うから。」
「そうだな・・・。」
ってこんな話をしている間に、もう8時15分。急がないと遅刻する。
「おい!走るぞ!遅刻するから。」
そう言い捨てて走り出す。
二人も追ってきた。
学校に着いたとき、遅刻の一分前。
ぎりぎりだ。
そしてSHRが始まった。
そのとき・・・あいつらが入ってきた。
『すいません!遅刻しました!』
二人そろって頭を下げ、顔を上げる。
二人の顔が似ていることに、皆動揺する。
自己紹介も程々に、適当に座っていた。
俺の前と後ろになった。
SHRが終わると、恒例の質問攻め。
それを眺めながら退屈な授業の用意をして、寝てしまった・・・。
次に目覚めたとき、一時間目の途中だった。
ぼーっとしていると、笑い声が俺に向かって起きる。
その瞬間、栄介を捕まえた。
「なにをした?」
「消しゴムをお前の頭の上に投げてた。」
悪びれずに言うこれを見て、あきれかえった。
先生がこちらをみていたが、適当に髪をすいて、ぼーっとする。
適当な授業も終わった。
野球部にはいるというこいつらが、勧誘に来たのをはり倒し、そして学校を出て行った。
アクシデント発生。
「空君!ど〜こいっくの?」
霧月先輩と、もう一人知らない人がいる。
霧月先輩の友達だろう。おそらく三年生。
俺の視線に気づいたのか自己紹介をされた。
「あたしは斑鳩リョウ。よろしく!」
「市ヶ谷空です。よろしくお願いします。」
自己紹介をされたので、言っていたことだけをしっかりと返した。
なにも言わないので挨拶してから立ち去ろうとすると。
「「待ちなさい。」」
二人して同じことを言い、両肩を捕まれた。
「どうしたんですか?」
冷や汗を浮かべながら問う。
「「今日暇なら来なさい。」」
「却下です。暇ですけど行きません。」
いろいろ口答えをするが所詮二対一、うち負かされて強制送還。
喫茶店へ連れ込まれた。
他愛もない話をする。
なぜ俺にかまうのだろう?
問うてみる。そうすると斑鳩先輩が、意味ありげに霧月先輩に目配せする。
そして答えてくれた。
「そ・・・それは・・・秘密で!!!」
顔を真っ赤にしながらだった。
「そうですか・・・。答えてくれないなら推理しちゃいましょう!というわけで斑鳩先輩。」
「なに?それにリョウって言ってくれた方がいいけど。」
「じゃあリョウ先輩・・・?なんで霧月先輩は顔真っ赤にしているんですか?」
「いつか教えてもらえると思うから、気にしないで。」
意味深なことをつぶやいた。全然わからない。推理する情報がなかったら、ただの推測になってしまう。
あきらめてふつうの会話をした。
学校でのこと等々。
六時になったからもう帰ります。と告げたとき、先輩たちの顔は百面相のように揺れ動いた。
じーっと観察していると気づいたのか、二人とも空咳をして目配せしあった。
「え〜っと空君?」
「何でしょうか?」
「これから私につきあってくれない?」
「いいですよ。」
短く会話を交わし、リョウ先輩と別れてから一軒の家の前で先輩は止まった。
といってもリョウ先輩の家はここから歩いて一分だが。
「ここはどこですか???」
何となく予想がついているが聞いてみる。案の定予想通りの答えが来た。
「私の家だけど?とりあえず入って。」
さりげなく命令形。いい言い訳が思いつかず、とりあえず中に入れてもらった。
両親はいるだろうし、大丈夫だろう。
「親はいないからくつろいでって。」
くつろげる方がおかしいでしょ!!!
なぜか晩ご飯を作ってもらった。
簡単にチャーハンだったが店で出すような味だった。
そのことを言うと微笑んでくれた。
「で、どうして俺はこんな状況なんでしょう?」
食べ終わった後のんびりと帰ろうとすると、先輩に両肩を捕まれた。
「あら?そんなのもわかんないの?」
「ええ、わかりません。」
そんな風に話して、最後にわからないといったとき、先輩の顔は目に見えて落ち込んだ。
「じゃあなんで押さえつけているかは?」
「先輩がぼくのことを嫌い・・・とか?」
そういうと先輩は目尻をつり上げた。
そして叫ぶ。
「私はあなたが好きなの!というわけでつきあいなさい!!!」
「・・・・・・」
沈黙。そしてこの家の中に俺の叫び声が響き渡る。
「え〜〜〜〜!!!!!!!!!!!」
拒否権なしですか!?
今日はあと二話投稿するのでよろしくおねがいしまーす