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記憶の鎖  作者: 空き缶
20/31

第二十話:空の過去 1

注意!

今回は俺の過去がでてきます。

結構ぐろいところもあるのでハイライトだけを知りたいかたは後書きに飛んでください。

お願いします。

by空

第二十話

家にたどり着いた俺はぜいぜいと息を吐く。頭の整理はできている。心がそれを認めたくないだけ。床に倒れこんだ。何かがあたまに浮かんでくる。

そして俺の意識は闇へと落ちていった。


6年前・・・


明らかに普通じゃない家庭。ぼくの家を形容するならそれが一番当てはまった。父親は市ヶ(いちがや) 風矢(かざや)、母親は市ヶ(いちがや) 美香(みか)。ぼくの親はプロ野球選手だったんだ。一軍の中で有望な若手、『疾風』の異名を持っていた。ほんと、その異名の通り盗塁が得意な、ぼくの尊敬する父親だった。

反対に母さんは、普通の人。・・・いや、普通というにはあまりにもかけ離れていたのだと思う。ぼくに父さんが見ていないところで普通に暴力を振るうし、殺されそうになったこともあった。怖かった。いい子にしていれば、母さんは怒らないかもしれない。ぼくはそんな淡い期待を持ち、優等生って言われるようにがんばった。それが、余計母さんのプライドを打ち壊してしまった。もともと母さんは父さんに劣等感を持っていた。才色兼備の父さんをみれば、確かに嫉妬してしまうだろう。そしてその息子が優秀なら、「やっぱ風矢さんの息子ね。」って言われることは間違いなかったから。そんなこと、子供のぼくには分からなかった。ただ、嫌われないようにその日その日を生きることに精一杯だった。毎日暴力が、虐待が続く。


「ごめんなさい・・・。許して・・・。」


あのとき、ぼくは、何に許しを請うていたんだろう。かあさん?それとも何か別のこと?そんなことはわからない。


「うるさいわね!あんたなんかいなければ良かったのよ!」

「ゴメン・・・。ゴメン・・・。」


無力なぼくには、ただ許しを請うことしかできなかった。そして、悪夢が訪れる。



「「いってきます。」」

「いってらっしゃーい」


ぼくと父さんは家を出る時間は同じだった。今思うと、ぼくにわざわざ合わせてくれたのだと思う。普通の親子同士の会話をして、駅で父さんと別れる。退屈な登校。それは学校でも変わらなかった。今思うと、それはましだったかもしれない。嘘偽りない笑顔がまだ、出せたから。

少し嫌がらせもあった。プロ野球選手の息子って、結構つらい。もちろん野球は上手いって思われて、運動好きで、性格がいいっていう風に見せないといけない。偽りの日々。

でも友達の前では、しっかりと自分を出せた。闇の中の光明。それがぼくにとっての、友達のポジション。


「空!おはよ!」

「うん。おはよ〜。」


友達の存在、それがなかったらぼくは学校へといっていない。授業は大体理解できるし。

今日ものんびりとしながら授業が終わり放課後になった。


「そ〜ら〜!勉強見てください・・・。」

「まったく・・・。」


ぼくは苦笑いをした。なんでこのあたりが分からないんだろう。第一、一学年上の彼女がどうして俺に教えを請う?こんなんじゃもっと学年が高くなったときに授業についていけないぞ?これの将来を案じつつ、ぼくは尋ねる。


「どこ?それと今日はあ〜ちゃんの家行っていいか?」


その言葉を聴いた瞬間、あいつの顔は少しうれしそうで悲しい顔になった。すぐ持ち直して、言う。


「もちうちで!というわけでれっつご〜!」

「もうちょっと発音しっかりやれよ。じゃあ行くか。」


そしてぼくたちは校門を出て行った。歩きながらいろいろぐちを言い合う。そして彼女の家につく。勉強を教えてやった。・・・基本から。


「だからここは、こっちから割るから答えは15なんだよ。」

「あっ、そっか〜!ありがとっ!」


まったく。世話が焼けるな・・・。でもこの平穏でぼくは充電しないと。これから家で起こる、いつもの事態に備えて。ねっころがる。完全に充電モードだ。でもあいつはそれを分かっているから、僕に近づかない。そこまで無神経じゃないし。


「おじゃましました〜。」

「また明日ね〜!勉強教えてよ!」


苦笑いしながら、ぼくは立ち去る。本当は、ぼくが充電のためだけにここによっているのを、彼女は知っている。だけどそれでも受け入れてくれるところがあるのは、気持ちいい。そしてぼくは家に帰っていった。


充電したのはいつもどおり。家へ帰ってみたら、誰もいなかった。


「ただいま〜?」


無常に反響する己の声。首をひねりつつ、自分の部屋へと駆け込む。そして、扉を閉じてベッドにねっころがる。少し疲れた。眠ろう。俺は一時の眠りについた。


そしてぼくは隣の部屋で争う音で目が覚めた。目をこする。もうちょっと寝たいなぁ・・・。

喉かわいた・・・。牛乳・・・。

僕は扉を少し開く。開いた瞬間息をのんだ。


「お父さん・・・?なんで――――。」


赤、一面にあるのはただ紅い、とてもなじみのある液体。ぼくはそれがなんなのか分かりすぎている。


それは、紛れもなく、血だった。


そして母さんが包丁を目の前に構え、父さんに突きつけている。

そんな・・・!母さんは父さんのことが嫌いだったの・・・?


「――――――――!」


目の前に、赤が降ってきた。顔が血で染まる。


怖い。怖いよ・・・。あ〜ちゃん・・・。


それでも、お母さんは止まらない。血まみれの者を乗り越えて、こちらへくる。


「そ・・・ら。はや・・く・・・にげ・・・ろ。」


声が聞こえた。母さんが近づいてくる。目を見てしまった。


いかれている。歯の根が合わない。普段感じている恐怖よりも怖い。本能へと呼びかけている恐怖。そして脳内で告げられる。

危険!今すぐ逃げろ!と。


「今すぐ逃げろ・・・!」


怖かった。けど、お父さんの声が理性をうち消し、僕は窓から逃走した。足が痛い。石を踏みながら隣の家へと走る。母さんが追ってくる。


ヤダ。コワイ。


誰か――――。


そして隣の家のチャイムを鳴らしたとき、お母さんが僕を斬りつけた。ドアを越えた後、僕は失神した。


そして今の家にすぐ移ってきたんだ。この記憶、僕はどうして忘れていたんだろう?なんか暖かい・・・。


------------------------------------------------------------------------------------------------------


起きたとき、俺は布団にいた。―――膝枕付きで。


「・・・え?」

「あ、空。起きたんだ。大丈夫?」

「か、花梨!?」


目の前にいたのは花梨だった。暖かく感じたのはこのせいか。


「うなされていたけど大丈夫なの?」

「うん・・・。平気。ちょっと昔のことをね、思い出しちゃっただけ。」


平静を装えない。怖い。夢とは言え、十分にリアリティがあった。そして花梨は目を見開いている。そのことには触れずに、俺は告げた。


「なぁ?」

「なに?」

「明日、学校さぼって良いか?ちょっと、出かけたいところがあるんだけど。」


明日は平日。だけど、昔の家。少しずつでも進んでいかないといけない。いつか、いつか、この鎖の呪縛から逃れられるように。

その思いを読みとってくれたのかOKだった。


あ〜ちゃん。久しぶりに会いたいな。






空9歳の頃。

母が父にコンプレックスを持っており、その遺伝子を受け継いでいる子供に苛立ちがいき、毎日暴力をふるう。

一方の空は、あ〜ちゃんの家で体を休めて毎日を堪え忍んでいた。

そしてついに、暴力をふるっていたことがばれて、母は父を包丁で刺した。

そして次の日、空が一回その家を見に行って、あ〜ちゃんを探す!らしい


すみません・・・。うまくまとめてませんね・・・。

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