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記憶の鎖  作者: 空き缶
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第十八話:白鳥の舞

第十八話


「はい、いっちー。お呼びだよ。」

「俺!?」


これは先輩のケータイではないのだろうか?なんでそこに俺宛のことがくる?

なぞだ・・・。

俺はケータイを受け取り画面を覗き込む。誰からだろう?霧月先輩かな?

もしそうだったらうれしいな。そう思いながら送信者の名を見る。


「進藤栄介」


・・・・・。なんでこいつが先輩のアドレス知っているんだ?まだ内容は見ないで、先輩に問いかける。


「なんで栄介がアド知っているんですか?」


その俺の疑問が顔にあふれまくっている顔を見て先輩はさらに笑い、俺に言う。


「企業秘密。ふふふ・・・、私の情報網なめるなよ。」

「ってめっちゃ怖いんですけど!」

「じょーだんよ。この前一緒に遊びにいったときがあったでしょ?そんときおど・・・、教えてもらった。」


なんか脅したみたいに言ってる感じがさらに怖い。結構情報漏れてたりすんのか?恐ろしい・・・。

そして俺は本文を見る。


今すぐ、ベンチに下りて来い。速くしろ!


それを見た俺はなにかを感じ取る。ものすごく切羽詰った状況らしい。そして俺は走り出す。

ケータイを先輩に放り投げ、ダッシュで外へ向かう。なにかみんなが言っていたけど、それを黙殺して走る。

そして俺は外へ出た。人が邪魔だ。とにかく走る。全力で。そして俺は途方にくれる。どこへ行けばいいんだ?


「そ〜ら〜!!!こっち!!!」


栄介の声だ。声のしたほうに俺は走る。そしてすぐにつくと栄介に引っ張られて、ベンチ裏に行く。


「はぁ・・・。」


汗をぬぐい、息を整える。整ったところで問いかける。


「どうした?」

「頼む!試合に出てくれ!」


栄介にしては珍しく人に頭を下げている。そんな冷静な、自分を外から見ているような感覚だった。幽体離脱じゃないけど。


「頼む!なんかおごるから!」


そんな問題かよ・・・。そんなことをしなくたって俺の答えは決まっているのに。でも聞きたいことがまだある。


「あのセンターはどうした?」

「軽い脳震盪で、気絶中。今は目覚めないらしい。っというわけで頼む!」


そんなに言うなよ。でも、あの人脳震盪か。そっか・・・。


「そんなに叫ぶなよ。うるさいだろ?そして出るかどうかだけど。」


一度言葉を切る。栄介が期待と不安の入り混じった目で俺を見る。口を開き、言葉を紡ぎだす。


「もちろんOK。こんなチャンスめったにないだろ?」

「サンクス!!!」

「「「「「よっしゃ!」」」」」


よっしゃ?どこからか聞こえてきた。その声の出てきたところを探すと、野球部のみんながこちらを見ていた。・・・ドアを小さく開けて。

ばれてないつもりだろうか?


「栄介。ユニフォームは?俺持ってないけど。それと、選手登録してあるのか?」

「ふっふっふ・・・。」


栄介はニヤニヤ笑いながら言う。・・・気持ち悪いぞ。これがさっきまで人に物を頼んでいた態度か?


「その点に関しては抜かりなし!ほら!」


どこからか取り出したメンバー表と、ユニフォーム。まずメンバー表をもぎ取る。そこには確かに俺の名がある。

そしてメンバー表を返し、ユニフォームを受け取った。背番号は「8」。


「8番・・・?なんで?」

「お前が、レギュラーだから。」


そのことを聞いた俺はうれしかった。それを隠すために急いで服を脱ぎ、アンダーシャツ、ユニフォームを着る。

そこで重大なことに気がついた。


「あ、グローブ観客席なんだけど・・・。」

「じゃあ投げてもらえ。リョウ先輩がいるだろ?」


むちゃくちゃな。それしか手がないから今回だけはそうした。


「つーかさ、最初から試合に出てほしいって言えば俺持ってきたのに。」

「だって・・・。」

「だっては似合わない。」


ぐさぁっ


速攻で切り捨てる。栄介は胸を押さえてなにやらぶつぶつ言っている。健介に目で問いかけると、答えてくれた。


「こいつがいきなり「試合に出て」なんてやったら来ないかな?とか考えたかららしいけど?」

「へぇ〜。そんなことかよ・・・。別にそんなことしなくても行くのに。」


その話をしながら借りたスパイクを履く。ちょっとサイズが大きいけど平気だろ。

観客席にいるリョウ先輩に叫ぶ。


「せんぱ〜い!!!そこの袋とってくださ〜い!!!」


聞こえたのかな?ぼーっとみていると袋が上から落ちてきた。そっちをみるとなんか三人で談笑中だ。・・・興味ないのかよ。

そして俺たちはグラウンドへと飛び出した。


センター足立君に代わりまして、市ヶ谷君!


ウグイス嬢がいい、「わ〜〜」と声がする。俺はそれを遠くに感じる。集中すると起こる、いつもの懐かしい感覚。ぞくぞくする。

試合が始まった。


そして俺は、再び空を飛んだんだ。


リョウside


「は〜あ。いっちー行っちゃったね。」

「そ〜だね〜。」


私とこの大門とかいうやつは、結構意気投合している。そして何かが始まる予感がする。面白そうだ。

そして横をぼーっと眺めていると、うちの学校のやつらがいた。あれは一年かな・・・?

そう。確かに一年だ。確か名前は川島瞳と、水口飛鳥だ。いっちーのクラスの人だな。ちょっとした悪戯心だ。呼びかけてみよう。


「川島瞳と水口明日香!こっちへきなさ〜い!」


命令形で済ませてみた。そしたら警戒した感じできた。そりゃ当然よね。


「なんのようですか?」


言葉にとげが・・・。私ってそんなに嫌われてるっけ・・・。気にしないで続ける。


「いや〜、これからオモシロそうなのが見れそうだからね。少人数より、大人数でしょ。」

「そ〜そ〜。俺もそう思うよ〜。」


うるさい。私は心でそう思う。なんでこんなでかい図体したのが、こんな口調でしゃべってるんだ。


「おもしろいって・・・なんですか?」


今度は小心者っぽい子が問いかけてきた。確か川島瞳。私はそれに答えず、何かをたくらんだ目で笑い続ける。

みんなにひかれかけたからやめたけど。


「もしかして・・・、空が試合出るんですか?」


小さい声で立松とやらが問いかける。私はその返事を目で返す。「そうだよ」と。

それを見た彼は、つぶやいた。よく聞こえなかったけど、こういう風に言っていた。


「・・は再び・・舞う。」


どんな意味があるんだ?聴こうとした瞬間、ウグイス嬢の声が聞こえた。


センター足立君に代わりまして、市ヶ谷君!


立松というのと大門以外は驚いた表情をする。そりゃあ当然か。でも聞けなかった。私ってこんなに情報集めるの下手だったかな・・・。

私の気持ちも関係なく試合が再開した。・・・当たり前だけど。妙にそのユニフォーム姿が似合っている。相手のバッターが打った。センターを狙い打ったらしい。素人目にもそのことが分かる打球が飛んでいった。

いっちーが走る。疾い、だけど届かない。ヒットか・・・。観客全員が思った瞬間、いっちーは飛んだ。鳥のように。

そのプレーにみんな、声を出せない。それほど見惚れるプレーだった。チェンジになったが、まともに動いていたのは、いっちーと、進藤兄弟と、相手チームだけだった。

その相手チームも混乱して、傍から見てるとこっけいだ。そして聞こうと思っていたことを立松とやらにたずねる。


「さっきなんて言っていたの?なんか舞うとか言っていたけど。」

「あ〜そのことか。白鳥は再び空を舞うって言ったんだよ。」

「白鳥って?」


私はここぞとばかりに詰め寄った。でもそこから先は、答えてくれなかった。


礼!


どこか遠くでそんなことが聞こえた。でも私は考える。いったいなんなのか。意図的に隠されている気がする。

こんなときの私の勘はあたるから、家へ帰ってからもう一度データを洗いなおすことにした。



現在スランプ・・・。文が上手く思いつきません。

がんばって書いているつもりなので!

ではでは。

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