Fairy Adventure Rino ~乙女は左腕にいい感じのガンを装備した~
もう一人の勇者
ベルちゃんのひみつ:現代劇なら机の引き出しに自作の少女漫画が隠してあるタイプ
―騎士行軍訓練!
それはオーシェル騎士魔法学校において不定期に実施される野外訓練である。「騎士」と冠してはいるが全課程で催され、魔術教養科では「遠足」と称される程度の初歩的な野営技術実習であったが、もちろん騎士課においては本格的な演習訓練となる。またの名をサマーキャンプ。
「あのライカン家のお坊ちゃんにねぇ・・・」ベルドレッテと昼食を挟んでリノはため息をついた、ベルがサマーキャンプでロドリック・ライカンの班に誘われたと言うのだ。
「お坊ちゃんだなんて、リノ様のほうが年下じゃないですか」ベルがクスクスと笑う、ロドリックは第一印象ほどならず者ではなかった。あの、世の末でも来ようものならトゲだらけの皮衣を着て、チャリオットで走り回ってそうな連中を従えているのも、彼らが学校生活からはみ出きってしてしまわないように舵取りをしてやるためだった。「それ、本当に使ってるのね」ベルがパンを切り分けるのに使っているのは、ロドリックから詫びと礼を兼ねて贈られた小刀だった。
「便利なんですよ、柄に仕掛けがあってとげ抜きと縫い針とテグスが入ってるんです。」この仕掛け付きの小刀はオーシェルの女生徒の間で流行っているものだった。とげ抜きはムダ毛処理、テグスは刺繍糸に巻き換えて休憩時間にハンカチなどへ草花の柄を縫い付けるのだが、ベルの裁縫の腕はからきしで、とげ抜きはもちろん、テグスもそのまま傷を縫うためのものだ。「へ、へぇ・・・」この子の前で怪我でもすれば縫われる、麻酔無しで、直に、リノの本能はそう告げていた。
「まぁ、あの血の気の多そうな連中についていけば、治癒技術を磨けるんじゃない?」ベルは乗り気なように思えた、欲しいのは後押し。ただリノもサマーキャンプ中限定の訓練班を任される事になっていた、一匹狼を気取りたかったがショーン教官に拝み倒されたのだ。
「告白する前に振られちゃった、でも―」人生を取り戻して初めての友人であるベルと一緒に野営というのは魅力的だった。しかしそれ以上に彼女が彼女の望む将来に進むために必要な経験を積むには「私じゃ頼りがいがありすぎるものね」「そうです!リノ様にくっついたままでは私、擦り傷の治し方しか上達しません」寂しくはあったが見解は一致した、帰ったらまたこうやって土産話に花を咲かせれば良い。
サマーキャンプの前に果たすべき義務がある、そう、買い物だ。リノの野外活動用のジャケットはひと月もしない内に二着も駄目になってしまったし、ベルもそろそろお下がりなどではなくちゃんと本人のために仕立てられた服が必要だろう。リノとベルは連れ立ってハジェ・マリアの商業区にやってきた。
立ち並ぶ店構えが華やいですぐ、二人の目に入ったのは刃物店だった。「とりあえず小刀がほしいかな」そう、気軽にサンドイッチを切り分けられるやつだ。「私も軽めの短剣が欲しかったところなんです」ベルはすっかり武器で身を飾ることを覚えたようだ、騎士課にもよく馴染めているのだろう。
「いらっしゃい、オーシェルの生徒さんですかな」中に入ると商品の手入れをしていた店主が出迎えた。「おっと、剣は向かいの店ですよ」リノの腰の剣を見たのだろう、店の品揃えは包丁や工作用の小刀に注力しており、騎士相手の商品は少なかった。「そうね、私はこの店が良いのだけど・・・」リノがベルの方に気を向けると、彼女は店の片隅に申し訳程度に並べられた剣の一振りに目を奪われていた。
「気に入ったのがあったみたいね」「はい」そこにあったのは短剣よりも長い幅広の片手剣、軽くは無さそうだがベルの腕の長さにぴったりと合っていた。「良い目利きをされますな、いや、剣の仕上がりの方は親の贔屓目ですがね」聞けば向かいの武具店の鍛冶師はここの店主の息子、ベルが見出した剣は餞に仕入れたものなのだとか。
「お父君に良いところを見せたかったのね、とてもいい仕上がりよ」リノが手にとって手首でぐるりぐるりと試し振りしてベルに渡す、ベルも彼女に倣ってやってみる。「はい、とても扱いやすいです、ですが・・・」息子の傑作を買ってしまって良いものか、そんな逡巡を店主はすぐに読み取った。
「ははは!見くびらんでください、売り物を作るのが職人、売り物を売るのが商人ですぞ!!お気に召したのなら是非お求めください、今日の売上伝票こそが息子の仕事の良き記念となります。」それならと改めて値札を確かめると「あ・・・」思わず小さく声が漏れた、予算の倍近い値段だ。しかし、「いただきましょう」リノがさっさと支払いを始める「ベル?安心して。借用書はきっちり書いてもらうわ。でもね、自分の命を預ける物だからコレはって物をケチってはダメ。」リノは無意識に腰の剣の柄尻を撫でた、これも苦労して手に入れたものだった。
「わかりました、お借りします」「素直でよろしい」巡り合った剣は少し短いブロードソード、幅広で重いが頑健さに優れた剣だ。
「短剣にしてはずいぶん長いわね」「そうですね、それに少し重いです」そう言う割には試し振りの時から軽々と扱っていた、皮鞘に収まって吊られた剣はゆらゆらと揺れながら、しかし歩みに淀みはなかった。
買い物は順調だ、新品の小刀、ワークドレスも何着か仕立てさせることにしたしブーツも。明日には学校の寮に届くだろう、あとは―
「ベル、総仕上げよ」
目の前にそびえ立つのはジェラートの屋台、そう、買い食いである!「じぇら・・・?」「氷菓よ、美味しいんだから」今はリンゴにオレンジ、それからヨーグルトを混ぜ込んだものが並んでいた。二人は思い思いの味を買い求めて再び歩き出した。「冷たくて美味しいです」「そうでしょ?行きつけなのよ」「先月始めたって言ってましたよ」とりとめもない会話を楽しみながら、ゆっくりと帰路を辿る。しかし
「魔獣だ!」誰かの叫びが響いた
物流を優先するため商業区は城壁の外にある、野に暮らす動物であればこのように迷い込むことは奇妙と言えるほどでは無かったが、フルマルスで町中に魔獣となると一際に珍しい。
魔獣とはつまり大気に漂う魔力を取り込んで一際大きく成長した獣のことだが、体格に加えて知能も数段上がり、時には魔法も使う。そしてかく言う魔王とは元々これらを統べる王という意味であり、ナ・ウフレドではごくありふれた存在と言えたが、フルマルスでは人の活動圏に近づくだけで災害の如く警戒が敷かれる生き物である。
それが町中に現れたのだ、パニックは一瞬で広まった。
「大変だわ・・・」リノの顔があっという間に青ざめた。「急いでジェラートを食べたから頭痛が」
ちょうど近くに店主が逃げ出したままのスープの屋台があったので、銀貨を一枚置いて勝手にいただく。「ツイてないわね、小エビが拾えなかったわ」リノは剣の鞘を払った
「ベル、騎士団が来るまでもう少しかかるはずよ、それまでなんとか出来そうなのは私たちだけ。」「わかりました、私は怪我人の治療と誘導を、リノ様は―」「もちろん戦うわ」
逃げる人々の流れを目で遡ると、通りの先で土煙が上がるのが見えた。その奥には針のように逆だった毛皮に剣のような牙、猪の魔獣がいた。
リノは魚が川を登るように魔獣に元に、時に倒れた人を助け起こしながら駆け寄っていく。近くまで来て人がまばらになってくると、大猪がリノに気付いた。
「ごきげんよう!ポークカツレツ」
流石に野生の勘の前に奇襲は叶わなかったが、無差別に人々を襲おうとしていた大猪の意識をリノに向けることには成功した。「カツレツは嫌だったかしら」猪は魔獣になっても言葉を理解できるほど知性を身につけられる種ではないのだが、リノに馬鹿にされたことは理解したのだろうか、その眼は真っ赤に充血していた。
ギーッ!
大猪は一声嘶くとその牙を地面に突き立ててから頭を振り上げた、それまでの大暴れで踏み砕かれた石畳がいくつも巻き上げられリノに向かって飛んでいく。「わっ!ごめんなさいってば!!」とっさに出店の影に隠れて躱す、代わりに並べてあった野菜が弾け飛んだ。
ティグレバストーレで眉間に穴を開けてやっても良いのだが、人前でむやみに使うとグラントに叱られる。この無茶の分と合わせて倍叱られる、それだけは避けたい。絶対に
「じゃあポークジンジャーとかどうかしら?」ちょうど玉ネギとショウガが転がってきた、大猪も突っ込んでくる。リノはこの頭突きを躱して足元に滑り込み、前足に斬りつける。そして剣を振り抜いた勢いで転がるようにして体を起こすと、そのまま猪の尻の方に走り抜けて距離を開ける。
大猪は脚から血を流しながらゆっくりとリノの方に振り向いたが、蹄は四つともしっかりと地面を踏みしめていた。腱を狙ったが浅い。
リノは覚悟を決めた、猪が自分に興味を失えばその牙が何処に向かうか分かったものではない。左腕に力を込めてゆっくりと人差し指を立てた―
その時リノの耳に聞こえたのは凄まじい速さで弩の弦が巻き上げられる音だった、そしてそれが理解できた頃には弦の爆ぜる音が続いた。
手槍ほどある矢が唸りを上げて飛び、大猪の横腹に突き立つ、それを口火に次々と大小の矢が飛んでくる。
「そこの女学生!市民の救援大義でありました、後は我々に任せて下がりなさい。」王国騎士団である。隊長らしき甲冑の騎士を先頭に、十を超える長槍や長柄斧が通りになだれ込んでくる。整然と突き出された白刃は的確に大猪の急所を斬りつけ刺さり、程なくして魔獣は絶命した。掲げた旗は王都外周を警護する第五騎士団、今いるのはその中のいずれかの分隊であろう。リノを知るものは―
「エリノラじゃありませんか!」居た。兜を取った分隊長の名はゲイルハルト・チェンバレン「誰かと思えば・・・しかしどうしたんですか、剣なんか振り回して」幸いエリノラ・ワイズセイルの方の知り合いだった。「食後の運動よ、ジェラートとエビ抜き海鮮スープをいただいたの」「はぁ、オーシェルではまともなジョークを教えてないんですか?」少年の時分にフォートリグの駐留騎士団で従騎士をしており、その頃はリノとよく野山を駆け回って遊んだものだった。正騎士への昇格とともにハジェマリアの騎士団に移ったが、出会った時は青白いほどだった肌もよく日焼けし、今は叩き上げの分隊長というわけだ。
「分隊長、勇敢なお嬢さんが居たもんですよ」白い腕章をした騎士たちがぞろぞろと魔獣の周りにやってきた「エリノラ、あなたではありませんよ」ゲイルハルトの眼鏡がギラリと光り「あなたのは蛮勇と言うのです。」釘を差してきた。合流した白い腕章の騎士隊は救護部隊、その一団の中に居たのはベルドレッテだった。
「このお嬢さん、逃げ遅れた人を助けて回復魔術まで」ベルはしっかりと自分が引き受けた役割を全うしたようだ。リノは友人を褒められて悪い気はしなかった
「悪い気はしなかったのだけどねぇ・・・」あれから4日、授業の前と後にワイズセイルの屋敷に行って庭掃除をする羽目になった。そのせいでサマーキャンプの班員とは顔合わせすらろくに出来ていない。
「仕方がないよ、それに〝免除〟になってしまった私よりマシさ」そういってリノを慰めるアーランドは留守番だ。サマーキャンプの行き先は前日に知らされるが、今回は魔獣騒ぎで急遽その追跡調査に駆り出されることとなり、警備体制を万全としたい近衛騎士団が難色を示したせいだ。せめてもと見送りに来た王太子が手を振るのを横目に、リノは自分の班の馬車に向かった。
「班長様、よろしくお願いしますわ」ミレナという、元々この班のリーダー格だった女学生が一歩前に出て挨拶をした。「ごめんね、班長の役を取っちゃって」「良いんですのよ、わたくし地図もまともに読めませんので」彼女もアーランドと同じく魔術科を早々に修了して騎士科に移った中々の秀才らしい。地図が読めないなどというのは謙遜であろうが、フィールドワークに慣れていなさそうでもあった。それは班全体に言えたことのようで、リノに向けられた眼には期待と安堵が明らかだった。
「ライカン様とのお手合わせ、お見事でした」「アーランド王太子殿下と親しいのですか?」「先日は王都に迷い込んだ大猪を仕留められたとか」大猪との戦いは明らかに話が大きくなっていたが、訂正すれば士気に関わるだろうか、リノが逡巡する内にミレナが手を打ちながら場を収めた。「先日の魔獣は第五騎士団の方々が仕留められたそうですよ、エリノラ様は避難誘導にご尽力なされ学科長様からお褒めいただいたとか」サンドラはリノに甘い。
ミレナはそのまま班員たちを尻でも叩くように馬車に押し込めていった。リノもこれに続いて乗り込むが「私は地図係で良かったんじゃないかしら?」ミレナの手際の良さに感心すると彼女はまぁ!と声を上げて「お頼みする以上それなりの地位をご用意しませんと」と悪気無く宣った。
馬車はすぐに走り出し、一路城壁の外に向かう。現地に着く前に騎士団が合流して、万が一の時の救援を請け負ってくれることになっている。
馬車の後ろから馬のいななきが聞こえた、支援の騎士団が着いたのだろう。気付いた生徒たちが手を振ると先頭の騎士が拳を上げて答えた、旗印は第五騎士団
「げぇっ!ゲイルハルト!!」案の定編隊の中央にいるのはあの日焼け眼鏡だった。
猪であれば魔獣となったとて基本的な習性は変わりなく、山のごとく茂った森の辺に着いた学生たちはいくつかの獣道を分散して辿り、魔獣のねぐらや縄張りを特定して他に居ないか調べるのが今回の実習内容だ。
「いいかお前ら、今回のキャンプで習熟するのは斥候術、つまり最も重要なのは引き際だ。」ロドリックが自分の班員たちに訓示を垂れる、ベルドレッテもその中にいる。「ロックさんなら出涸らしの魔獣ぐらい余裕だけどよ、俺達の身を案じてくれてるってわけさ」いつかの取り巻きの一人がベルにそう説明するが「買い被るな馬鹿、その末に俺は引き際を見失ってカノン嬢に迷惑をかけたんだろ」ロドリックに頭を叩かれて黙った。
「悪いな、配慮を欠いた奴らで。武術だの攻撃魔法だのの使い手は揃ってるんだが、治療医療は傷を縛って縫うのがせいぜい。だからあんたが頼りだ、よろしく頼む。」「ええ、頼りにしてくださいロドリック様。でも一番いいのは私が役立たずで終わることですからね」ベルは袖を肩近くまでまくって力こぶを作ってみせる、細腕ながら力強い隆起は信頼感と―
「悪い、それはしまってくれ」ロドリックの頬が赤らんでいく「あっ・・・!」それはベルドレッテにも伝染った。
「諸君、打ち合わせはそれまで、そろそろ森に入ってもらうぞ。実戦ならばいくらでも時間があるというわけではない、行け!」ショーン教官の号令で訓練班が次々と森に分け入っていく。
「いくぞ!遅れをとるなよ」甘酸い気まずさを振り払うようにロドリックも号令をかけ、みな揃って森に分け入っていった。
「よし・・・」ロドリックが手を上げて歩みを緩めるように指示を出す「何か居ましたか?」ベルがやや不安げに尋ねたのをロドリックは不敵に笑って返す「何も居ないさ」
ロドリックの表情はしばしば誤解される、今まではそういう立ち回りだったので不便は無かったがベル相手ではそうもいかない、まぁ結局は彼女のほうがロドリックの表情筋がそういう仕組みなのだと理解した。
「狩り自体は殆ど経験がないんだったな」「ええ」「この道は〝ハズレ〟だ」運良くな、とロドリックは付け加えた。獣道の痕跡は極めて小型の草食動物の往来を示唆していた、対して追うべき猪は雑食、魔獣の住処へと続く可能性は極めて低い。
班の何人かは形ばかりの不満を述べたが、辿る道を変えようという意見は出なかった。コレで全員がわきまえるべき身の程を知っているということである。
「まぁ結局は実習だ、本当に魔獣と出くわすような場所は正規の騎士たちが調べてるんだろう」打ち合わせでは探索範囲の三方を通る街道を騎士科の教官と騎士団員が巡回しており、3日後に彼らと合流して実習終了となる。ロドリックは全員警戒の体勢を解かせて交代で警戒員を配することにした、たちまち隊列は雑談に満ちた。
隊列は賑やかなまま森の奥に向かって進んだ
「カノン嬢、勇者リノの腕の刻印魔法、どうやって身につけたか知ってるか」ベルが首を横に振るとロドリックは語りだした。
リノ・ミラダティグレの故郷、フォートリグの山々の向こうには巨大な虎の魔獣が棲んでいるという。虎は人々をただそこに有るものとして好くでも嫌うでもなく悠久の時を生きていたが、ある時、何者かが虎の縄張りを荒らした。虎は怒り度々人里に降りては、手当たり次第に人間を食うようになった。
「後で分かったんだが、虎は自分の子孫の最後の生き残りを殺されてしまったんだそうだ」ロドリックは話を続ける。
事情を知らぬ村々では、ただ恐れ怒り、虎を討伐しようという機運が高まった、そこで手を挙げたのが一人の村娘、のちの勇者リノである。
「蛮勇だな」結末を知る故にロドリックが苦笑すると「エリノラ様にそっくりですね」とベルも笑った。
―そっくりも何も本人なのだが、二人は知らない。はるか木々の向こうでリノが大きなくしゃみをした。
激しい戦いの末にリノは左腕を、虎は右目を失った。手傷を負った虎はかえって冷静になり、リノの話を聞いた。「牛とか羊とかにしなさいよ」それがリノの第一声だったという、それから理由もわからず村人が何人も殺されて怒っているという事を話し、虎も自分の怒りのわけを話した。
リノは怒ったという、自分がそこに赴いた理由も忘れ、肉を食らうでもなく毛皮を纏うでもなく、まして武勇を競うためでもなく、ただ弄ぶために虎の子どもを殺した人間に対して。
食いちぎられた左腕の血止めもそこそこに、虎の住処を飛び出したリノは三日かけて下手人の山賊どもを探し出し、生きたまま捕らえると虎の前に引き立てた。
虎は魔法で山賊たちの命を吸い上げて、自分の腹の中の人間たちに与えた。吐き出された村人たちは息を吹き返し、山賊は死んだ。
虎は村人たちに謝罪をした、理不尽な怒りをぶつけてしまったこと、一度は命を奪ってしまったこと。そして感謝した、我が事のように怒りを燃やした一人の村娘に。
「彼女を初めて〝勇者〟と呼んだのはこの虎なんだそうだ」
虎は右目を奪った一太刀を一際褒めた、そして姓を持っていなかったリノに「ミラダティグレ(虎の眼差し)」と名乗るように薦めた。「光栄だけど、左手が無いんじゃ片目止まりね」リノがそう言うと虎は笑った、そして自分の左脚から小指を食いちぎるとリノに与えた。
指は見る間に人の腕に形を変えて、リノの左腕に収まった。「我が子らの仇を討ってくれた礼だ」虎はそういった。そして「余の右目を獲ってみせた褒美もやらんとな」と言うとその腕に魔法をかけた。それが件の刻印魔法「ティグレバストーレ」である
「だからな、狩りをすると言っても、心構え一つで森を怒らせちまう事もあれば、心が通じて思わぬ贈り物をもらえたりする」オメェら分かってんだろうな!といつもの取り巻き連中に喝を飛ばすと「百回は聞きましたよ」と返ってきた。
「私は聞けて良かったです、命を繋ぐためでも敬意と感謝を忘れてはいけない、そういうことですよね・・・ロック様」ベルは親しみを込めてロドリックをそう呼ぶと、周りから囃す声が湧く。「うるさいぞ!・・・な、馴染めたようで何よりだ、べ・・・カノン嬢」囃す声は止まない。「ベルドレッテ!!」もはやヤケクソであった。ベルはにこにこと笑って、ただ「はい」と返事をするだけだった
それからロドリックの班は、何度か警戒員を交代しながら日が陰ることまで森を進み、そろそろ今日の野営地を決めようかという時
「総員警戒だ」しばらく前から少しずつ顔を険しくしていっていたロドリックが突然剣を抜いた
「何があったんですかロックさん」班員の一人が戸惑いつつロドリックに倣うが、まだ状況が飲み込めていない。「悪い、判断が遅れた。足元を見ろ」そこには草食獣のものと思われる乾いた糞があった。それを見た班員たちも状況を理解し顔が青ざめていく。
「ロック様?」ベルも剣を抜いて構えたが、まだ理解が出来ていない。「この獣道の主は小型の草食獣のはずだが、ここに来る間残された糞は何日も前の乾いた糞ばかり、それなのに道沿いの草は踏み倒されて間もない」最悪だ、向こうに見える若木はまだ切り口が湿っている。そう、切り口だ。
「ナタですかねロックさん」「いや、使い古した剣だろう」手入れの行き届いた剣であってほしかったが、どのみち刈り払った高さが低すぎる。賊の類ではない、小鬼族〝ゴブリン〟だろう。
ベルの剣を握る手に力が入る、相手は明言を避けたい最悪なものだと分かった。
―ヒュッ
茂みから矢が飛び出して哀れな学生の右肩を貫いた。音に気付いた別の班員が魔法で防壁を張る、一手遅れたが十分だ。茂みから赤黒く錆びついた剣や斧を振りかぶったゴブリンが飛び出すが、防壁が阻んでくれる。
「ベルドレッテ!」今度のロドリックの呼び声は淀みなく発せられた、ベルは言われるまでもなく処置を始めていた。「強い魔法は使うな、長丁場になる」「わかりました」矢を引き抜いて軽い治癒魔法をかける、これで血と化膿は抑えられる。
随分長く戦った、少しずつ中に引き入れて倒してみたが一向に減る様子がなく、ただ防壁の中に籠るしか手は無くなっていた。魔法が使えるのは二人、交代で休息を取り魔力の回復が追いつかない分はベルが分け与えて、なんとかここまで繋いでいる。
夕暮れに始まった籠城だったが、すでに東の空がかすかに白み始めていた。「お前ら、盾はいくつある・・・小鬼どもから奪った分もだ」ロドリックは魔法使いたちが限界に近いことを察して物理防御に切り替えることを考え始めていた。「無理ですね、人垣で凌ぐには人数が足りませんよ」もしものために転移魔法を込めたタリスマンを班長のロドリックには支給されていたが、魔法防壁の中では発動できない。
「ロックさん、あんた一人なら外に出てそれ、使えるんじゃないですか?」例の太鼓持ちが、無意識に握りしめていたタリスマンを指し示した。「馬鹿言うな、俺一人で逃げられるか!」「助けを呼んでくるんですよ、教官か騎士団のところまで転移できれば何とかなります!」
ロドリックはしばらく考え、決断した。
「俺を使い走りにしやがって・・・後で覚えてろよ」ロドリックは鎧を脱ぎ剣を置いた、運ぶものが多く重いほど発動は遅くなる。「行くぞ!」小さな盾一つ構えて防壁の隙間から飛び出す、次々と振り下ろされる刃を受け、流し、小さな頭を3つほど叩き潰したところで、転移魔法が発動し、ロドリックは消えた。
「流石ですね、発動まで無傷でしたよ」盾役の男子生徒に魔力を送りながら、ベルは感心した。「当たり前だよ、俺達のロックさんだぜ」男子生徒が応える。笑った目の下には隈が色濃く染み付いている、もう一人の盾役も、ベルも同じく疲労の色が黒ぐろと浮かんでいた。
同じ頃、木々のはるか先でリノの班もゴブリンの群れに遭遇し、これを退けたところだった。
「流石エリノラ様ですわね!」ミレナが褒めそやすが、リノは浮かない顔だ。「こいつらは斥候部隊ね」数はロドリックの班を襲った連中の二割もない、数匹屠ってしまえば後は散り散りに逃げてしまった。既に班員の一人に指示して位置を知らせる狼煙を炊いている、程なくして救援が現れるだろう。
「エリノラ!無事ですか!!」程なくも無い間に茂みの中から姿を表したのはゲイルハルト。「ゴブリンに遭遇したと避難する生徒が続出したので、戻っていない学生たちを探していたのです」聞いてもいないのに状況を話し始めた。「私たちも戻る相談をするところよ、あなたも参加する?六人班だから多数決になると決まらないのよ」リノはミレナと倒木に腰掛け、水筒を出してビスケットをかじり始めた。
「食っとる場合ですかァーッ!!」ゲイルハルトはビスケットをはたき落としたい衝動を何とかこらえ、あまりに危機感のないリノの態度を強く諌めた。
「ゲイルハルト様、班長が狼狽えては班員に影響します」「いえ、一仕事してお腹が空いただけよ」ミレナの擁護を台無しにする。騒いでいる間にゲイルハルトの部下たちが追いついてきた。「伝令によると二班を除いて森を脱出、あるいは護衛の騎士団と合流できたそうです、隊長」部下の一人が報告する。「二班とは?」ゲイルハルトが確認するとこの班とロドリックの班だ「では確認が済んでいない班はライカン班だけですね、とにかく今はこの班の安全確保です、周辺を固めろ、それから帰還方法を決めます」ゲイルハルトは的確に指示を出し自らも警戒に出る。
「ベルドレッテ・・・!」リノは全身が粟立つのを感じた、あの青年は思いもよらず手堅い性格だ、それが安否不明ということは何かトラブルに巻き込まれたに違いない。その予感は残念ながら的中している。
ゲイルハルトの隊は物資の詰まった背嚢を置いていった、補給用の食料や医療品だ。更にゲイルハルトの分にはタリスマンが下がっている、これは生徒たちに配られた転移のタリスマンに対応したもので、魔法を発動すればこれのある場所を目指して転移する。そうすればすぐさま救助を受けられるというわけだ。
それが強く輝き始めた
やがてロドリックがリノたちの前に現れた。
「あなた一人?」リノは寒気が止まらない、この男を見損なうような事態にだけはなっていてほしくない、どうにか平静を保とうとしていると、ロドリックが立ち上がって肩を掴んだ。
「エリノラ・ワイズセイル!騎士団は?教官たちは!?どこに行ったんだ!みんなが・・・」
ロドリックが今までの経緯を説明する、そしてまた膝を突き、額を打ち付ける勢いで頭を下げた。
「頼む、騎士団の人たちを呼び戻してくれ!みんなを助けないと・・・!」
リノの答えは―
「不愉快ね!」「はぁ!?」ロドリックは思わず声を上げた、まさか拒絶されるとは思っていなかったのだ。「待ってくれ、あんたと俺が折り合いが悪いのは分かってる、だが―」「違うわよ」リノはロドリックの手を引き、さっきまで自分が座っていた倒木に座らせた。
「あなた、私が土下座されないと友達も助けない冷血な女だと思ってたの?」リノは自分の荷物から予備の剣を引き抜いてロドリックに渡した。「無茶したわね・・・みんな、騎士団を呼び戻すわよ。ライカン様の班の救援に向かってもらいます」リノは班から体力の残っているものを選んで呼びに行かせ、自分も駆け出した。
「ワイズセイル・・・」「ベルたちのことは任せて、あなたは私の班の面倒をお願いね」
リノは駆けた、ゲイルハルトたち騎士団は周辺警戒に出てまだ間もない、班員達に任せて大丈夫だろう。
「どうにかすべきはゴブリンロードね」ロドリックの話、自分たちが出くわした斥候、ゴブリンにしては統率が取れすぎている。〝ゴブリンロード〟というのは隠語で実在しないただの伝説だ。実際は人間の統率者が何らかの目的を持ってこの小鬼たちを利用しているのだ。
ベルたちの襲撃地を見下ろす崖の上、案の定そいつはいた。これみよがしなローブに杖、ゴブリンを操るにはいくつかの方法が有るが、この男は魔法使いだ。さらに遠見の魔法でこの森一帯を見渡し、生徒たち、教官、騎士団の動向を把握している。
ロドリックが転移魔法を使ったのを思い出しニタリと笑った「助けを呼びに行ったようだが手近な騎士団は皆徒歩だ、戻ってくる頃にはすっかりブランチの頃合いさ・・・それまで持つかな?」
その背後から首筋に刃が伸びる。
「すぐ小鬼たちを帰らせてもらえない?お肌に朝の乳液を塗る時間なの。」ゴブリンロードの背後にはリノが居た「馬鹿な!一番近くの野営地からでも、ここまで街一つ分はあるのだぞ」
リノがロードの鼻に切っ先を突きつけたまま、前に回ってくる。「自慢になっちゃうけど私、脈が十打つ間に二、三区画くらいなら余裕で走り抜けられちゃうの、しかも街の端から端までくらいならそのまま全速でね。つまりエクステンデットレースにだって馬無しで出走できるってわけ。」
「リノ・ミラダティグレ!二〇年前の死に損ないめ!!」ロードの顔がいっぺんに悪意に染まる。フルマルスとナ・ウフレド、いずれの国に対してか二〇年前の戦争終結でも怒りの炎に薪をくべるのを止められなかった手合いのようだ。「この間のフランクフルツをけしかけたのもあなたかしら?」「・・・?ああ、あの豚か。そうとも、間抜けな市民が食われれば良し、騎士団が仕事をこなしたとして、こうやって脳天気な学生どもが〝安全地帯〟の調査に駆り出されるという算段よ。豚を追い立てるのには苦労したのだ、国民の目を覚まさせる邪魔をするな!」茂みから鎧を着込んだゴブリンが飛び出してくる、流石に護衛は用意していたか。だが武器や道具を使いこなせる以外は猿と対して変わらない連中だ、リノの敵ではない。
「こっちは夜通し剣を振り回して、これから寝るところなのよ」ゴブリンを危なげなく斬り伏せ、リノは銀の剣をゴブリンロードの胸に突きつける。「友達を助けて、じゃないとケバブにして屋台で売るわよ」ロードはニタリと笑った「大猪に小鬼、どちらもあの邪悪な魔王が国に多く飼っている生き物だ」一歩踏み出し、リノの剣が胸にめり込む。「あれらに無辜の者が殺されれば、私と同じく魔王国への怒りを忘れぬ者たちが立ち上がるだろう」更に一歩、剣は中程まで沈み黒い血がロードの足元に垂れ広がる。「私が死ねば連中は暴れ出すだろう。〝勇者〟よ、早馬のごとく走れるなら伝書鳩のように飛べるのではないか?」ここは崖の上、ベルドレッテの元に向かうには大きく迂回しなければならない。ゴブリンロードは更に一歩、踏み込み、両手を高く掲げた
「フルマルス王国ばんざ―」リノが剣を横に薙ぎ、肺を裂かれた男は最後の一息を失った。
「あなたにローディは讃えさせない」
「いぃいイいィいいいイィイいいぃイぃイい」
ゴブリンロードの眼から完全に光が失われた頃、ベルドレッテたちを取り囲んでいたゴブリンたちが、奇妙な叫び声をあげて魔法防壁へ一斉に突進しはじめた。防壁は干渉を受ける度に大きく魔力を消耗する、体力の残った者たちが盾を構えてなけなしの壁を作る。
「いいか、ワイズセイルのやつに嫌味を言われたくなかったら、ベルドレッテちゃんに傷一つ付けるなよ」「分かってるよ、でもその前にロックさんに殺されちまうよ。俺はそっちのほうが怖い」「そもそもロックさん無事なんですかね、ワイズセイルにボコボコにされてないですかね?」「言えてる」
ついに、防壁使いたちが魔力を使い果たし、気を失った。淡く光る魔法の壁が消えていく。少しずつ広がっていく隙間からゴブリンがなだれ込んでくる。少年たちは手当たり次第に剣を振り下ろして流れを止めるが、すぐに小鬼たちは染み出してきた。ベルがブロードソードで応じ、斬り伏せた。
「皆さん、もう少しです。きっとすぐに助けが来ます」剣術の訓練はしてきた、だがこの状況ではどれだけ尽くしても気休めにはならない。少しずつ堤は崩れていき、まさに水が満ちるようにゴブリンが中に溢れ出していく。ベルの囲みからあぶれた一匹が周りで盾を構えていた少年の背中に追い縋る、ベルがどうにか助けようと剣を突き出した―
「あっ・・・」
伸び切ったベルドレッテの腕を赤錆た剣が払った。指が震えだし握っていた剣が落ちる、腕はバックリと切れて今にも血が吹き出すだろう。痛みで思考が働かなくなる前に処置を始めなければ、手順通り、ベルはまず痛みを止める魔法を、そして回復魔法、骨を繋ぎ、肉を繋ぎ、血を通わせ
この時ベルは理解できた、自分の体にどのように魔力が流れるているのか、どう流せばどんな魔法が使えるのか、どうすれば勇者のように戦えるか。
繋げた右腕に魔力が満ち始める、今必要なのは圧倒的な火力だ、ベルが右腕を掲げると光の矢が天に放たれ、いくつも枝分かれしてゴブリン達に降り注ぐ。
リノはベルの元へ駆け出した、崖を迂回し、森を突っ切る。ゲイルハルトの隊もまたミレナたちの伝令を受けてベルたちのところにたどり着こうとしていた。
その時、森に光が満ちた。光は柱となって立ち上り、雲に砕けて地上に降り注いだ。
「ロドリックの班に攻撃魔法を使える者は残っていなかったはず・・・!」魔法が使えたものは防壁魔法で魔力を使い果たしていたはずだ、しかし不思議と悪い予感はしなかった。それほど光の柱は神々しく、美しかった。
茂みの向こう、騎士の一団が見えた。「ゲイルハルト!」リノが声をかけると進路をわずかにこちらに寄せてきた。「エリノラ、何故こんなところに!」「走るのが趣味なのよ」「そんな事は聞いてません!!」お友だちが心配だったのでしょうとゲイルハルトがため息をついた、リノの目測ではもうすぐベルのところに出られるはずだ、かすかに血の臭いはするが最悪の事態であればもっと悪臭になるだろう。ゴブリンどもの不快な叫び声もしない、先程の光の柱は何者かが救いの手を差し伸べたのか
森を抜けた。累々と折り重なって倒れていたのはゴブリンたち、その中心には呆然と座り込んだロドリックの仲間たちと、一人立ち尽くすベルドレッテ。
その右腕は袖が焼け落ち、魔法の刻印が焼きごてのように暗く光っていた。
「ベルドレッテ、今の光はあなたが・・・?」リノは無意識に自分の左腕を握った、ベルが、大切な友人が自分と同じ力に目覚めた。勇者の力に
「再来だ・・・」騎士団の誰かが叫んだ、あまりにも尊いものを前に歩みが緩む。
「何をしていますか!まずは負傷者の確認でしょう!」ゲイルハルトが声をあげねばそのまま立ち尽くしていただろう、幸いそうなっても処置済みの軽症者と疲労で倒れたものだけだ。思考を取り戻した隊員たちはロドリックの班に駆け寄り、救護処置を始めた。
「リノ様・・・」「おっと」ベルドレッテは救援の一団にリノを認めると、安堵と疲労の限界で気を失い、地面に突っ伏す直前で駆け寄ったリノに抱きとめられた。
「これから苦労するわよ、勇者様」
後日、リノはサンドラに学科長室へ呼び出された。
「お願いドロシー、最近頑張ってるから単位をくれると言って」「リノ、正体を隠してひっそりやりたいと言ってた割に随分大活躍じゃない。大人しくできるように補講を用意しても良いのだけど」シャルロンドに頼まれて色々やったことを根に持っているのだろう、リノが珍しく言葉に詰まると、サンドラ・ワイズセイル王国騎士団総長閣下兼オーシェル騎士魔法学校騎士科学科長様は満足げに安楽椅子に身を沈めた。「怒ってないよ、陛下の頼みなのだろう?」サンドラがリノを呼んだのは全く別の用件だった。
「ベルドレッテ・カノンの事だ」そこまでは予測できていた、問題はそれにどんな判断が下されたかだ。「彼女の腕の刻印魔術は定着した、王宮ではベルドレッテを勇者の再来として持て囃す者もいる」しかし彼女の情報は秘匿された、シャルロンド王が議会に楔を打ったのだ。『今は国難の時ではない、かの少女は余が頼るべき勇者に非ず。余を頼るべき一介の女学生である、余は余の義務を果たす。諸君もまたそう有るように願う』シャルロンドの言葉を聞いてリノは感心する
「へぇ、ちゃんと王様やってるのね・・・」それでな、とサンドラは話を続ける。リノとロドリックの班の学生たちと第五騎士団、事情を察しそうな者たちにはあえて事のあらましを伝えて、リノの事以外は。そしてその上でベルドレッテのために口を噤むことを頼んだのだと、皆快諾したと言うサンドラは何処か嬉しそうだった。
「楽しそうね」リノが聞くとサンドラは少し笑いを漏らして答える。
「リノ、いつもお前は良い友達に恵まれるなと思ってな」
「ドロシー、いくら事実でもそれは自画自賛ね!」
ヒョウやチーターは3kmも走れないんですよ




