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とある少女の復活逆転劇:もう1度、あの空へ:目指せ!憧れの魔法使い

作者: 秋月心文
掲載日:2026/05/21

 私は、魔法学校に、通っています。

 憧れていた「おばあちゃん」のような、魔法使いに、なる為です。


 しかし、私は、必修課題の「空を飛ぶ」事が超苦手。

 毎回、落下して、しまいます。


 他の魔法を、覚えるには、この課題の習得が、必須とされてます。

 当然、この課題を、クリアしないと、卒業など出来ないのです。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


 そんな私の相棒は、ボロボロの、古い魔法のほうき。

 子供の頃「おばあちゃん」に、もらった、大事なほうきです。


「おばあちゃん」は、私にとって「憧れ」です。

 でも、その「おばあちゃん」は、もう、いません。


 古いほうきで飛ぶのは、とてもムズカシイらしいです。

 だけど、私は、このほうき以外を、使う気になれませんでした。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


 落下する度に、周囲から、笑われ続けました。


 でも、私は毎日、ほうきに、お礼を言っていました。

「ありがとう、今日も頑張ってくれて」


「おばあちゃん」は、言ってました。

「ほうきは、『言葉』は話せないけど、『意思』を持ってるんだよ」


 だから、話しかければ「気持ち」は、ほうきにも、伝わると思ってました。


 そうして、いつも、ほうきに、話かけるのです。

 ですが、周囲は、それを見て、嘲笑います。

 ほうきに「意思」など、あるハズがないと……。


 それでも、私は、ほうきが、かすかに反応してくれてる事を知っていました。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


 ある冒険実習の日、私と、仲間が、危険な谷へ落ちました。

 とても、危険な魔物が跋扈している……

 ……深い、深い、谷でした。


 この時、仲間のほうきが、全部、折れてしまい、飛べなくなりました。


 そして、魔物たちが、私たちの方に、迫ってきていました。


 その時、このほうきが、奇跡を起こしました。

 ほうきは、誰も乗せずに、ひとり飛んで見せると、私を跨らせました。

 そして、フワリと、飛んでみせたのです。


 それどころか、仲間も一緒に跨らせ、仲間と一緒に、空高く運んでくれたのです。


 とても、速い速度で、飛行したので、魔物たちも追いつけませんでした。

 こうして、危険な谷から脱出出来ました。


「ありがとう、助けてくれて」

 私は、ほうきにお礼を言いました。


 だけど……。


 本来、ほうきは、ひとり乗りです。

 なのに、数人乗せて、飛んだのは、無茶だったのでしょう。


 安全なところまで、戻った矢先、ほうきは、ポッキリ折れてしまった。


 私は、いつものように、ほうきに、話しかけます。

「ごめんね、無茶させて……」

 けれど、ほうきは、何も反応して、くれませんでした。



 私は、仲間たちに、お礼を言われました。

 谷の上で、待っていた、皆からも、賞賛されました。


 皆は、私が飛べた事にも、心から、よろこんでくれた。

 今まで、飛べずに、苦労してた事を、見て来たから……


 他の魔法を、覚える許可も、おりました。



 けれども、私は、よろこべません。

 たぶん、とても、うかない顔を、していたと思う。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


 私は、ほうきを、治そうとしました。


 しかし、この世界では、ほうきは、消耗品という扱いです。


 修理に応じてくれる先が、見つかりません。

 何件もの、ほうき工房に、お願いしましたが、断られます。


 周りの皆も、新しいのを、買った方がいいと、言われます。


 友人から、見た目ソックリの、ほうきを、プレゼントしてもらいました。

 ですが、どうしても、使う気になれません。


 人づてに、辺境のお店で、修理しているところがあると聞きました。

 8日かけて、その店に、行ってみました。


 そこでは、当面の予定が、埋まっていました。

 修理出来るのは、早くても、半年先になるみたいです。


 それよりも、価格表に驚きました。

 修理代は、とても高かったのです。


 とりあえず、仮の予約を入れますが、とにかくお金が足りません。

 お金を、ためる為、魔法学校を休学し、多くのバイトを掛け持ちました。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


 お金が、たまったので、もう1度、そこを訪れたのですが……。


 店主から、治せないと言われました。

「魂が抜けちまってるよ」…と、言われました。


 せめても……という事で、

 ほうきのかけらを、アクセサリにしてくれました。


 私は、お店の方に、何度も、お礼を言いました。

「ありがとうございます。ありがとうございます」


 それを身に着け、別な道で頑張ろうと思いました。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


 私は、空を飛ぶ事をあきらめ、魔法学校を中退しました。

 校長からは、気が変わったら、復帰出来るように……

 籍は残しとくと言われました。


 でも、私は、戻るつもりは、ありません。


 もう「あのコ」はいないのだから……

「あのコ」の代わりなど、考えられなかったから……。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


 喫茶店での、バイトを、続ける事にしました。

 修理代を稼ぐ時から、通っているバイト先です。


 そこには、寄り添うようにしてくれる、新しいほうきがいました。

「励ましてくれてるの? ありがとう」

 寄り添ってくれるたびに、そうお礼を言った。


 ある日、魔法学園で、事故が起こりました。

 魔導ビジョンで、その様子が報じられていました。

 昔馴染みの友が、危険な状況に陥っている様子が、映ってたのです。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


 かなうなら、助けに行きたい。

 だけど、私には、もう「あのコ」はいない。


 そんな時も、新しいほうきは、私に寄り添ってくれた。

「励ましてくれてるの? ありがとう」

 いつものように、そう言った……


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


 その時、ほうきは、突然、私を跨がせると、空をとんでみせた。


 そして、私は、気づいた。


 この飛び方は……!?

 この独特なクセは……!?


 紛れもない「あのコ」だ!

 そのほうきが「あのコ」の生まれ変わりだった事に、気づいたのです。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


 私は、もう1度、空を目指す。



 私の瞳は、強い意志で溢れていた。

 そして、私の心は「ありがとう」の気持ちで溢れていた。



 ありがとう、生まれ変わってくれて……。


 ありがとう、側にいてくれて……。


 ありがとう、励ましてくれて……。


 ありがとう、もう1度、飛ぶ事を思い出させてくれて……。


 ありがとう、あなたの事が大好きよ……。



 ありがとう、もう、負けない!!


 あなたが、いてくれるなら、もう、負けない!!


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


 私は、このほうきに乗って、友の元へと向かいます。

 もちろん、友が乗る為の、もう1本のほうきも持って……

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