色んな意味でヤバい配信を見てしまって
翌朝。
私はぼーっと起きた。
今日は休みだし、のんびりしよう……。ついでに美味しいホットミルク作ってー。ああ、今日は何しよう?
……テレビ、相変わらず、この時間、面白くないなぁ……。
動画でも見るか。
そう思って、カチッとリモコンで切り替えたら。
「やあ、初めまして! 俺はシドっていいます。ああああ、すっげー嬉しい。ずっとさ、こういうヲタク的な話がしたくてしたくて死にかけてたからさー、というわけで、さっそくゲーム配信していいよな? 俺のプレイ見て白目向くなよ。ふふふ、まずは、このサバゲ―やる」
ぶうううううううーーーー!!!!!
ごほげほごほ……。
落ち着こう。えっ……気のせい……だよね?
思わず、テレビ消しちゃったけど……えっ……?
私は大好きなミルクを飲まずに、テーブルの上に乗せて、心を落ち着かせて、もう一度、テレビをつけた。
「うっわ、興奮する。やっばい、アドレナリンどばどば。うっはー。あ、難易度どれにする? どれでも行ける。お、じゃあ、ハードで行くな。ふふ、行くぜ……」
「あああああああああああーーーーーーー!!!!」
思わず、絶叫してしまった。
隣の壁からっすっげえ、ドンが来たけど、これは叫ばずにはいられない!!
まず第一に……もう既に私の書いたVチューバーの彼が動いて喋ってる。配信終わってる。
二つ目に……なにこれ、むっちゃ……解放されているというか、暴走ここに極めりって感じなんですけど!!!
っていうか、羅那くん、むっちゃ上手い。これハードなんだよね? なのに、まだゲームオーバーしてない。死にかけてはいたけど。
それになにより。
「うららららーーーー!!! よっしゃああああ、中ボスクリアっ!! もう少し続けたいけど……あ、ダメ? わかったよ。つーことで、今日はこの辺で終わりマース。次はプラモ制作するつもりだから、楽しみにしてくれよな。つーわけで、シドでした!!」
ぶつんと、そこで配信が終わった。
なんていうか、その、楽しそうだった。
すっごいぶっ飛んでいたけど……えっと、タガが外れたというか、アレ、きっと……溜まってたんだろうなと思う。
いやあ、動いてるV絵良かった。似合っててよかったよ。
けど、時々、イケボになってたけど……あれ、ずるくない?
いや、正体ばれないかな? っていうか、心臓に悪いんだけど。
っていうか、コメント面白いんだけど。主にツッコミが。
まあ、あんだけはっちゃけてたら、ツッコミするのも楽しいよね。
ホント、やりたかったんだね……ってことは、禁止されてたのかな?
「でもまあ、まずは……もう一回、最初から見直そうか」
あ、その前にミルク飲み干そう。うん、そうしよう。
そうしないと、また吹いちゃうから。
こうして、私は羅那くん……いや、シドくんの初配信を見届け。
その日のうちに、ブラッシュアップした、納得した本当の製品版のVのイラストを――
ちょっとだけ、気合い入れすぎた気もしつつ――お届けしたのでした。
……それにしても。
この羅那くんから来た10,000文字以上の……ファンレター、重すぎない? 気のせいかな?




