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私の彼氏は人気俳優でVチューバーです?  作者: 秋原かざや
番外編

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12/12

続・ファミレスで会いましょう ~消えたヲタク彼氏の謎?

 指定の時刻になった。

 某ファミレスでは、そわそわと時間を待っているお客とスタッフ達で賑わっている。

 先日の騒動よりも少し人数が多い気もするが、その分、売り上げが上がっているので、店長はヨシッ! とした。


 そして、その時がやってきた。

 からんからんと来客を告げるベルの音。その度にお客がちらっと入り口を見る。



 ――あ、キターーーーー!!! ……!!!?????????


 眼鏡の女性。あの子はあのときと同じ雰囲気で、とても楽しそうだ。

 けど待って欲しい。


 ――その隣の、長い銀髪の黒コート、黒スーツのイケメン(目元が見えないけどイケメンなのは分かる!)は、だれーーーー!?


 ま、まさか、あのヲタク彼氏と別れたのか!? いや、かなりアイツは残念だったが……。


「あ、二人で」

 声も良いなんて……あれ、でもこの声、どこかで聞いたような?


「あ、ら……シドくん。今日は何食べる?」

「そうだね。席に座ってから考えるつもりだけど……お腹空いたから、ガッツリ行きたいかな」

 んん? そういえば、あのヲタク彼氏、食ってたよな、すっげー食ってたよな?

 ちょっとだけ、周りがざわざわしている。


「よっこいしょ」

「そのカート、こっちで預かろうか?」

「大丈夫だよ。こっちにも荷物置けるし。でもありがと、ら……シドくん」

「荷物邪魔だと思ったら、直ぐ言って、サナ」

 甲斐甲斐しい。えええ、眼福なんですけど、アレ?


「それで、コミケの戦利品、どれくらい買っちゃったの? ちょっと重そうだったから」

「あーー、予算決めずに来たから、手あたり次第……買ってしまいました」

「えっ……」

「それでも何とか10万以内にしたから、セーフ」

「それは、ら……シドくんにしては、堪えた方だね。うん」

 二人は、何を話しているのだろう? けれど、コミケの話ってことは、やっぱり……???


「それにしても、なんだか懐かしいね。ここで、ら……シドくんが号泣して大変だったもんね」

「そ、それは……ホント、忘れてくれる? 恥ずかしすぎるから……」


 ――なんだってーーーーーー!!!!! このイケメン、あの、あの……ヲタク青年なのか!? そういや、ヲタク青年も目元を瓶底眼鏡で隠していた……ってことは……ええええええええ!!!!!


 ここにいるお客&スタッフは、心の中で盛大に叫んだ。


 ――違い過ぎるだろ、コレーーーーーー!!!!!!


 けど、安心した。

 二人は別れていない。しかも雰囲気的には、とってもいい感じだ。甲斐甲斐しくイケメンが、目の前の眼鏡女子を世話している。

 なんていうか、むっちゃ甘い。え、あいつ、こんなに甲斐甲斐しいやつだったん???


 出て来る料理の殆どがイケメンが食べていたことも記しておく。

 前回よりも食べていたので、驚愕していたが……お、恐らく、これがあのイケメンの……大食い力なのだろう。

 誰だ、イケメンは食べられないって言ってたの? アイツ、細いのにあんなに食ってるぞ?


「……ああ、それでね。今日はら……シドくんにプレゼントがあるんだ。ふふん。見て驚かないでね?」

「え、なに? サナのプレゼントなら、どんなものでも……」

「ジャーーーン!! シドくんの魔王様バージョン!! いつもは金髪だけど、こっちは銀髪で角をつけてみました!! っていうか、改めてみたら、今日のシドくんに似てるかも……えええ?」

「ちょ、ちょっと……ちょっと待って……ええええええ!!!!??」

 え、待って欲しい。狼狽えるイケメン、美味しすぎる。いや、そうじゃなくて。

「ちょっ!! ら、シドくん、血が!! 鼻血出てるっ!!!!」

「ごめ……興奮したら……ティッシュ、ティッシュ……」

「ああ、あるから待って!!」

 大変なことになってきました。んん、もしやこれ、あのサングラスっぽいの外すんじゃ……!!!

 固唾をのんで、全オーディエンスが彼らを見守る。


 ――ああああああ、脱がずに終わるんかいっ!!! っていうか、つけたままで処理できるのかよ!!!!


「はぁ……落ち着いた……。ごめん、サナ。脅かしちゃって」

「ううん。けど……大丈夫? 貧血にならない?」

「それは大丈夫。さっき食べたばっかだし。これくらいで貧血にはならないよ。それに裏技もあるから平気」

 って、その裏技ってなんですか!?


「で、どうかな? 新衣装? 良い感じ? 今までのとは全然、雰囲気違うから……その嫌がられ……」

「何言ってるの!!! 神からの下賜された至高の品だよ!? また解釈一致すぎて、ヤバすぎなんだけど!! それにそろそろ、こういう衣装も楽しそうだから頼もうと思ってたのに……くっ……これもまた」

「5万円で結構です」

 高いのか安いのか、よくわからないぞ? オーディエンスのツッコミも疲れてきたかもしれない。

「安すぎだよ、さあや神様……ホント、これ100万円だっていっても、過言ではないよ?」

 眼鏡女性さんから渡されたイラストを見て、恍惚としている表情を浮かべているイケメン、ヤバい。近くに座っていた女子達がそれを見て驚いている。いや、驚くよ、イラスト見て恍惚としてるんだもん。


「いいから、さっさとそれ仕舞って。は、恥ずかしいから」

「了解。あ、このファイルも一緒にもらって……」

「いいから、早く!!」

「はぁ……推しはやっぱり遠くで見るのが一番だね。突然の供給に耐えられなかった」

「分かる。私も突然の供給には耐えられる自信ないよ」

「それは、今も?」

「んん?」

 眼鏡女子さんが顔を上げた、次の瞬間。


 ――ちゅっ。


「「「!!!!!!!!!」」」


 声にならない声が、ファミレスに響いた。


 この後、何があったか覚えていない。

 とにかく、訪れた二人はとても仲睦まじく、手を繋いで帰っていった。

 それと、また来月、ここに来るらしい。丁寧に日付と時間も教えてくれた。


 ――また来なくちゃ!!


 ここにいた全員の心の声が一致したのはいうまでもない。




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