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私の彼氏は人気俳優でVチューバーです?  作者: 秋原かざや
本編

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11/12

復活のヒーローと秋フェスの貴公子

「こんなつもりではなかった……君達の足を引っ張るようなことを、するつもりは……」

 悲壮な表情を浮かべながらも、羅那くんは、持っていた変身ギアを装着する。

「変身……ブレイブアップ」

 そして、ヒーローに変身して、戦い始める。

「これから先は、敵として戦わせてもらう!!」


 きゃああああああ!!! エモすぎる!!

 まさか、主人公ではなく、エリート上司で、病気の妹の為に、味方を裏切るなんて……素晴らしい神展開!!

「こ、これは……後でブルーレイ買わないと……」

 私ははわはわと、テレビにくぎ付けだ。

 出るよとは言われてたけど、こんな役柄で出て来るとは思ってなかったよ、羅那くん!!

 格好良すぎて、心臓バクバクだよ!!


「けど……これ見る限り、もう大丈夫だね……」

 数日前に、大号泣していたとは思えない、素晴らしい演技だった。

 しかも、生身のアクションもかなり凄かった。特に後半なんか、凄すぎてびっくりした!!


 SNSでも凄かった。


『今回の浅樹君、胸アツ!!』

『アクションすごくねー凄すぎてビビった!!』

『まさか、あの羅那くんが特撮ヒーローものに参加するなんて……でもでも、これ見たら納得!!』


 賞賛の嵐で……そりゃそうだよね!! 羅那くん、特撮は大好きだもんね。ロボも好きだし。この手のカルチャーは、リスペクトしまくりだし。


 彼の快進撃はまだ終わらない。


「ういーーっす!! シドだぜ!! 今回は前回のゲームの続き!! 相変わらず難易度はハード。中ボス倒してからってとこだな。お、皆、思い出したかー? よし、今回も俺のプレイ見て、白目みせんなよ? 派手に……決めてくぜっ!!!」

 はっちゃけは相変わらずで、プレイも凄かった。シドくんの配信もかなり人気らしく、恥ずかしそうにしてたっけ。


 はあああ、羅那くん、本当に調子いい時は、凄すぎなんだよぅ……。

 思わず、シドくんの新衣装を送っちゃったしなー。


 ぴこんと、メールが届いた。

「きっとコレ、羅那くんからだよね。また凄いメールが……ふええええ!!!!」

 凄いってもんじゃなかった。神からの賜った素晴らしきものなんて、言いすぎ。っていうか、この桁数バグった入金なに!?

 待って、羅那くん、正気に戻って!! 電話電話……!!


「羅那くん!! 入金入れすぎ!! 後で振り込み返すから、5万円にしてっ!!!」


 朝から叫ぶことになるとは、私……思わなかったよ、マジで!!!




 そしてまた、数日が過ぎ……ようやく、秋フェスの日が来た。

 ふふふふ、今回は奥の手で来ている。

 え? またヲタクルックで来ているんじゃないかって?

 ほら、仮面で行けって言ってただろ?

 だから、僕、思いついちゃったんだよね。


 ――僕じゃない誰かになれば、僕のままでもバレない!!!


 というわけで、変装してきました。

 みんなこっち見てるけど、うん。こっちには寄ってこない。なら平気だ。ヲタクルックするとさ、屈まなきゃいけなくて、腰が後で痛くなるんだよね。だけど……これなら痛くならないし!! ファンサしなくていいし!!

 なにより……あっと、未来さあや先生のサークルブース発見!!


「サナ姉、今日、凄いお客さんが来るって誰なの?」

「ひ、秘密!! あ、でも、星流も美風も一度、見てるから、すぐにわか…………」

 顔を上げて、先生が固まってる。


 なぜなら、今回の僕は……コレだ!!


 長い銀髪のウィッグを一つにまとめ、目元をミラーシェードで隠している。

 そして、黒のコートと黒のスーツに黒の革靴。

 そう、浅樹羅那ではなく、別人のイケメンに変身したのだ!! 我ながら、グッドアイデアだよね。


 あっと、その前に先生混乱しているから、種明かししないと。


「新刊、全部二部ずつください……サナ」

「ふえええええ、ももも、もしかして……ふぐっ」

「当たり。いいでしょ、この変装」

 僕の名前を言おうとしたので、指で止めた。内緒だよ、それは。見つかったら、イベント壊しちゃうもん。それは僕の流儀に反する。

「格好いいお兄さん! はい今回の新刊です!!」

 お、双子の妹ちゃん、有能だね。

「ありがとう。助かるよ。それとサナ」

 耳元で囁いた。

「ぐるっと会場回って戦利品ゲットしてくるから、イベント終わりで合流しよう。迎えに来るから……さあや先生……それともサナって呼んだ方がいい?」

「!!!!!???」

 ああ、真っ赤になって固まってる。よかったー。格好よく決めて来て。

 さてっと、人が寄ってこないっていいね。

「それじゃ、また後で」

 そう颯爽とサークルブースを後にすると。


「~~♪」

 軽い足取りで、気に入った薄い本を買いあさった。そのための鞄だ。頑丈でたくさん入れても問題ない。

 ちょっと買いすぎたかもしれないけれど、嬉しい重みだ。その中のうち、四冊はさあや先生……いや、サナの書いた素晴らしい神作品。

 ああああ、すっげーー楽しみ!!!

 だってさーー、俺に似たヒーローがサナに似たヒロインと恋仲になるんだぜ?

 サナってば、そんな妄想してるなんて、ヤバいだろ!! それに、今回は初の……18禁!!

 あ、やべ、興奮してきた。抑えろ俺。うん、よし、これでよし。あ、また神作品見つけた。


「すみません、これ二冊ください」


 この日の秋フェスで、銀の長髪美形がやってきて、ごっそり買っていったという噂が流れていったのは言うまでもない。

 しかも秋フェスの貴公子様なんて、呼ばれているなんて、まだ羅那は知らなかったのである。



 彼らの物語はまだ、始まったばかり……。

 ――銀髪の貴公子と、神絵師と、そして秘密の恋は。



最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

本編は、こちらで、完結となります。

また、何かありましたら、ちらちらと追加していきますので、よろしくお願いしますね。


というか、ふっと思いついて、羅那が俳優さんだったらどうなるのかなーとか、なら、今度はお相手はVチューバーになるから、絵師さんが良いかなという感じで、キャスティングしました。

これで、どうなるかなと思ったら、なんか、やんややんやと、一気にラストまで行っちゃいました(笑)。

超短編なんですけど、思いついたら、また番外編をちまちまと追加していきますので、どうぞ、よろしくお願いしますね。


今回は、本編最後までご覧いただき、ありがとうございました!!

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