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私の彼氏は人気俳優でVチューバーです?  作者: 秋原かざや
本編

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1/12

格好いい彼は、凄い俳優さん

 どんと、私は追い詰められていた。

 背中には公園の大きな樹。それに私は壁ドンというか、木ドンされている。

「僕から逃げられると思っている?」

 涼やかな、蒼い瞳。ノンフレームの眼鏡。艶やかな黒髪。そして。

 整い過ぎている格好いい、その顔!!

「駄目だよ。君はもう、僕のものなんだからね」

 そういって、格好いい彼は、私の顎を持ち上げて、楽しげに微笑むとその唇を…………。


「……という夢を見ちゃうなんて、ヤバすぎ……」

 街を歩いていれば、すぐに目に入る場所に、その彼のポスターがいっぱい貼られている。

 今、人気上昇中の俳優さん。

『また、映画主演が決まったそうですね! 次はどのような役をするんでしょうか?』

 街頭で流れる大きなテレビジョンいっぱいに彼の顔が映る。

『それはまだ、発表前なので秘密です。でも、決まりましたら、ぜひまた見てくださいね』

『人気俳優の、浅樹羅那さんでした!!』


 ――浅樹羅那(あさぎ らな)。それが、彼の名前。


 もう、全国区で彼を知らない人はいない。

 美形で完璧な王子様風、人気俳優。それが、羅那くんだった。

 何というか、雲の上のような人。

 それに…………。


「サナーー!! お待たせ。原稿は終わったの?」

 親友の美咲が声をかけてくる。

「うん、なんとかギリギリ。最高の漫画が書けたから、楽しみにしててね!」

「楽しみにしてるよ。サナの……ううん、未来さあや先生の作品は、なんだか、綺麗でドキドキしちゃうんだよね!!」

「そう言ってもらえると嬉しいな」

「けどさ、なんか……お相手の彼氏って、最近人気の俳優さん、羅那くんだっけ? その人に似ているのは気のせい?」

「そ、それは……気のせい!!!」

 それに、私は見ているだけだ。ちょっと似せてるのは秘密だけど……。

 そう、私は人気……同人漫画家である。

 けれど、この二つの道が重なるわけはない。

 ただ……こうして遠くから見るのが良い。


 だ、だって……羅那くんは私の理想を現実にしたような人だから!!

 推しは遠くから、見るのが鉄則!!


「それは分かる」

「だよね!!」

「そういうことなら、指摘はせずにしておくよ。あ、新しい小説できたから、カットよろしく!」

「美咲ちゃんもガッツリだね!!」

 こうして、私達は近くのファミレスで打ち合わせを始めたのだった。





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