君を許せなくなった時に書いたラブレターです
10代最後の恋愛が君で良かった。
今でもあの日の匂いを覚えています。
夏になりそう。夏になるとあの日が蘇る。もう四年も経ったんだな。
大学の入学式で私は彼のことを見つけた。
彼は数人と楽しそうに話していた。
入学式当日だというのにもう友達が出来たのか、それとも元からの知り合いか。そんな事を考えていた。
そんな彼とはゼミが同じだった。
彼は誰にでも優しくて、気遣いが出来て、そんな彼に私はいつの間にか好意を抱いた。
彼も同様に私に好意を抱いていたのは後に分かった。デートを重ね、私たちは付き合った。
初夏、最近は雨が続いて憂鬱な気分になる。
あの時付き合った彼への気持ちはもう薄れ、今日の約束をキャンセルしたい。この関係がいつまで続くんだろうか。
彼はいつも何も決めない。今日の観る映画も私が決めた。記念日のディナーも、初デートの場所も、告白したのも私。彼には感情がないのだろうか。
彼から連絡が来た。仕事が終わらなく、約束の時間に間に合わないみたいだ。私は近くのカフェで時間を潰すことにした。
二時間後、また彼から連絡が来た。まだ仕事が終わらなそうだ。私は彼の気持ちがわかった。今日は会うの辞めたいのだ。
私が彼に今日は辞めるか聞いても彼からの返事は、「どっちでもいいよ。」と来ることは分かっていた。
だから私から今日は辞めようと言った。
彼からは、「了解。」と来た。
二時間も待たせておいて謝らないのかと昔は怒っていただろう。でも、私は何とも思わなかった。一年前からこんな感じだったからだ。
私はカフェから出ようとした。その時、大学の男友達から連絡が来た。そのまま会うことになった。
「最近どう?」
他に言うことはないのか。そう思いながら口角を上げ何を飲むか聞いた。
友人は大学時代の写真を見せながら思い出話をしてきた。私はもうあの時の自分とは違う。社会に出たから、一人暮らしを始めたから、色んな言い訳を自分に言い聞かせていたけど一番は彼が原因なのかもしれない。
「それでさ、最近どうなの?あの時お前が狙ってた、名前なんだっけ?あいつとはどうなった?」
「あ、付き合ったよ。今も付き合ってる。」
「え!何で言わなかったんだよ!今度お前の彼氏も連れて久しぶりにみんなであつまろうよ。」
「あー、最近みんなに会ってないな。集まれたらいいね。」
その時、友人の携帯が鳴った。彼女からの電話だったらしい。
帰り道、彼が好きな曲を聴いた。正確に言えば彼が一年前に好きだった曲だ。
出会った頃の気持ちがふと蘇り、懐かしい気持ちになった。手に水滴が落ちてきた。雨だ。私は急いで家に帰った。彼からの連絡はなかった。
朝、いつもの時間に起きて仕事へ向かった。珍しく彼から連絡がきた。
今日の仕事が終わったら会おうとの事だ。
何で今、私は胸が弾んだのか分からない。分からないけどその日の仕事はやる気で溢れていた。疲れなかった。
仕事が終わり、携帯を開くと私は家に直帰した。そのまま一人でしょっぱいご飯を食べた。
その夜、私は夢を見た。夢の中には彼が出てきた。彼は私に向かって微笑んでいたから私も微笑んだ。このままずっと一緒に居たいと思った時、目が覚めた。
「あぁ、夢か。」
私は自宅を出たら彼の住む家がある最寄り駅に向かっていた。
いきなり私が現れたらどんな反応をするんだろうか。驚くかな。笑ってくれるかな。喜んでくれるかな。
彼は私を見るなり、驚いた顔をした。でも笑ってはいない。隣にいる女の子は誰だろう。彼女は私なのに。
一番最後の記憶にいる彼は、腹部が真っ赤だった。
細くて真っ白い腕。男性を感じる喉仏。剃刀負けしている口元。ねえ、好きって言ってよ。
夏は嫌いだ。今日も、彼の好きな曲を聴く。
私は笑っていた。
お元気ですか?
私は結婚したい人に出会いました。
四季の中で夏が一番好きです。




