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フラストノワール、花の国の王子は突如消滅した故郷を歩く。—ロマンチックな王国滅亡によって自動的に発生するオートマチック婚約破棄—  作者: 紅茶ごくごく星人
後編 滅亡後

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39.星なる復活と滅亡⓪(中編)

コズミキ=コニスは奇妙なリズムに乗って首を小さく振る。


民衆たちは奇妙な踊りをしながら、さっきまで逃げようとしていたはずの中央の舞台へとジワジワと近づいてくる。


「やっぱりあなたたちには効かないんですね...残念、です。」

コズミキ=コニスは僕たちを見てそう言った。


「なんなんだよこれは!」


大勢の民衆たちが足並みを揃えて、こちらに踊りながら向かってくる様子は、頭をかき乱されそうだった。


僕は落ち着いて、深呼吸した。

「はあっ、はああ、ふぅー、はああーー」


そして剣を抜いた。

そのまま、コズミキ=コニスに近づいていき、彼女の喉元を掻っ切った。


するとコズミキ=コニスは倒れ、民衆たちも倒れ込んだ。


そして数秒後。

星の国の王の体はドロドロに溶け、真っ黒の液体になった。


僕は嫌な予感がした。民衆の方を見た。

倒れ込んだ民衆たちの体は、ドロドロに溶けたりはしなかった。


3分待った。


5分待った。


10分待った。


15分待った。


だけど、民衆たちの体は、ドロドロに溶けたりはしなかった。


「ほっ、怖がらせやがって。」

トキロウが言った。


「それにしてもロゼットお前、なんだ、髪の毛それどうした?

剣もまた灰色に戻ってるし。」


「いろいろあったんだよ。いろいろ。それはまあ、またあとで話そうぜ。いい店があるんだ。これからみんなで寄らない?」


「うん。そうしよう。」

サマーが言った。


「おお、そりゃ楽しみだ」

トキロウが僕の肩を叩いた。シロも、僕のもう一方の肩をぷにぷにの肉球で叩いた。


「よし、それじゃあ-」

シエルがそう言いかけた時だった。

青空に、突如暗雲が立ち込めた。


手を叩く音が、聞こえた。


その音は、一度ではなかった。


周りを見る。

民衆はみんなまだ倒れていた。


手を叩いている人はいなかった。


だけど、手を叩く音が聞こえ続けて、それは音楽になった。

さっきのダンスのリズムと、同じだった。


さっき操られた民衆がやっていた、あのダンスと同じだった。


そしてそれは続き、どんどん大きくなっていき、最後の拍手。


それはやけに、近くで聞こえた。


後ろを振り返る。


すると、手を合わせていたのは-


シエルだった。


直後シエルはばたりと倒れ込んだ。


そして彼女の体から、何かが抜け出すようにして、現れた。

現れたそれは、僕に殴りかかった。


僕は頬を殴られた。

すぐに蹴り返すと、吹っ飛んだ。


「......」


僕は、その姿を見て言った。

「コズミキ=コニス...!!」


「はhahahahahahahaha!!!!!!!!!!!」

高笑いをしながら、コズミキ=コニスは自分の<星の神杖(テリング・テラー)>を回収し、そのまま気絶したシエルを足で踏みつけた。


「今すぐシエルから離れて!!」

サマーが言った。


「Eぇ、嫌ですよそんなの。ちょっとだけずっと一緒にいたら愛着湧いちゃって...離れたくないなあ」


「ずっとって、たかが数分だろう!!」

トキロウが言った。


「いやいやいやいやいやいやいやいやYeah........

...ってあれっ、鳥の子はともかく、ロゼットくんもサマーちゃんも、本当に気づいてなかったの!?流石にマヌケ過ぎなんじゃないですか?」


「何がだ?」


「シエルちゃん...彼女が初めて大陸のへそにやってきたその日から、私はず〜〜〜〜〜〜〜〜っと、彼女に憑依してたんですよっ?」


コズミキ=コニスは、靴の先で、シエルの頬をぐるぐると撫でた。


「憑依...?」


「そうです。憑依です。基本的に普通の人は催眠が効く。

でも王族のあなた方には効かなかった。


...しかし、憑依なら別です。


顔のパーツや背丈が似ていて、星の国の王族である私と月の国の王族であるシエルちゃんには血縁もある。

そんな彼女は私に憑依される適正が、とてつもなく高過ぎたのです!


まあ私とのシンクロ率が高過ぎるあまり、自分の意思で話しているのか、私に言わされているのか、彼女自身気がつけなかったみたいですが!


普通の憑依だったら、完全に私が操って、憑依される側に意識は眠っちゃうはずなのに...いやあ、家族の絆ってすごいです!」


コズミキ=コニスは嬉しそうに言った。


「ちょっと待て、血縁?意味がわからない。というかそもそも、星の国は存在しないんじゃないのか?」


「いいえ、お言葉ですがロゼット=フラストノワール王子殿下、星の国コニスカラメルは存在します。」

彼女は牢屋で初めて会ったときの僕の真似をして言った。


そしてコズミキ=コニスは語り始めた。


「それは今からほんのちょっとだけ昔の話になります。

今からちょうど1000年前に、私の姉......邪悪なる姉によって、星の国は滅亡させられてしまいました。


私が星なる実験をしている最中に、愚かな彼女が邪魔をした。

だから実験は失敗し、私は責任をとってコニスカラメル城の地下深くに封印されることになりました。


そんな私の嫌な嫌なお姉ちゃんは、私がいない間に月の国ムーニャリウムなんかを作っていたみたいで。

最初に知ったときはすごく腹が立ちました。


怒りで震えて、おかしくなってしまいそうでした。


ですが結果的には、私の役に立ったのです。


彼女がお腹を痛めて産み増やした子孫が、私の復活のための都合の良い器として役に立ったのです!!!


ありがとう、私のいとしのムーニャお姉ちゃん!!!!!」


「てめえ、ふざけやがって!!」

トキロウは我慢しきれず、意を決してコズミキ=コニスの首を切る。


しかし即座に自然治癒した。


「まあ、情熱的です!私、こんなことされたのもう何回目かわからない!


でも......意味ないですよ。

今の私、死んじゃってますから。また私が新たに生を受けたら、攻撃してきてくださいねっ。」

コズミキ=コニスはウインクした。


「また新たに生を受ける?どういう意味?」


「いいことを聞きますね!」

サマーに対し、コズミキ=コニスは食い気味に言った。


「そう、私のしたかった実験。その計画。

それは私が新たなる"星なる神"として降臨することです!!」

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