雰囲気
2話
「は?何言ってんだお前、ついに頭おかしくなっちゃったのか」
煽り口調で彼はそう言った。だがこれは至って普通の反応だ、こんなこと突然言われても誰も信じず訳がないのだから
「じ、じつはね私タイムトラベラーだったの!!未来から来たのよ?凄くない?」
彼女は熱心にそう伝えた。確かに嘘はついてないように見えた。
「はぁ、バカかお前そんなことあるわけないやろ。まず第一世界を救うって何!?別になんとも変わった気配ないけど!?妄想話に俺を巻き込むなさっさとでてげバカ」
椅子の上に自分の足を載せ指を挿しながらさきほどのとは比べ物にならないくらいの煽り口調で言い返した。
「確かに信じられないとは思うわ?でもね証拠があるの、証拠が」
と言いながら四つん這いになりながら上半身を押し入れに入り、何かを探す動作をしている
「あれ!?なんでないの!?おかしいわねー。」
と言いながら上半身を押し入れから出し聖達の方を向きながらこう言った。
「ちょっとあんたの家の物品管理体制はどうなっているの!?」
と指を挿しながら声を荒げて怒鳴りつけた
「そんなこと言われてもなぁ、ってか何探してんだよ」
と呆れた声で言う
「え?そりゃあんたお父さんかおじいちゃんから貰ってなかったの?ほら、あれよ本的な」
え?
「んなもんしらねぇよ。親父からも貰ってない」
呆れたような声でそう言う
「えぇ。まぁいいわ、新しいのあげる。ちょっと待ってて」
と言いながら小走りで部屋の外に出る
「なんなんだ一体。」
そう呟いた
数十分後
キィーという扉が開く音と共に先ほどまで一緒にいた女性が入ってきた
「おっ戻ったか、それで?俺に渡したいものって...」
聖が話すのをやめた。
目の前にいる彼女は先ほどまでそこにいた彼女ではないことが分かった。
空気が違う。
目が違う。明らかに自分の知ってる彼女ではなかった。
「お、おうそれで何を持ってきてくれたんだ...?」
必死に動揺を隠そうとするが返って緊張してしまう
彼女は無言で自分が連れてきた女性の方に目を向けまた聖に視線を返しこう言った
「千日聖、私は全て知っている。次こそは絶対に殺す。私がこの手で、」