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祖父母がおうちにやってきた

作者: 薄氷

『久々におじいちゃんおばあちゃんが会いに来てくれました』

 こんな流行病がある中でわざわざ網走という遠いところから、札幌の実家に駆けつけてくれて素直にうれしいと思えた。本当は一週間前に来てくれるはずだったのだが、突然の豪雪に見舞われてしまい、交通機関が止まってしまった。一週間伸びてしまったが、それでも夏ぶりに会えるというだけでうれしかった。


 母方の祖父祖母ではあったのだが、私が子供のころからとにかくかわいがってくれた。祖父の方は自由なお方、という言葉がよく似合う人である。ただ私たち孫のことをそっと気遣い、アドバイスもくれるという方だった。素直に尊敬できたし、郵便局長であることをいい意味で感じさせてくれないほどおおらかである。


 祖母はとにかく気にかけてくれた。本当に気にかけてくれた。小さいかったころからあったときにお小遣いとお菓子を買ってくれないことがなかった程である。おうちに遊びに行った時にも食べたいものを作ってくれる、そんな祖母である。


また、私は常人を優に超える量のお茶を飲む人間なのだが、祖父母の家に行くと必ず500mlひと箱24個分の箱の量のお茶を買ってきてくれていた。そんな特殊な私のために気にかけてくれる祖父母が大好きである。


 お互いに平均年齢が余裕で老人というのを超えるぐらいのまさしくド田舎に住んでいたのだが、時間の流れがゆっくり流れる、そんな家だった。普通に家に訪問するときは楽しみだったのだが、去年の秋に網走に移住することになり、その家は住まなくなってしまった。今でも写真を持っているが、写真を見るたびにあの場所の様々な光景が思い浮かぶ。


 そして祖父母ともに80代を優に超えている方々なのだが、まさしく元気なのである。自分としては、祖父の方は何物にも醤油をかけるし、お酒が何よりも好きなのだが、漁業をお手伝いしに行くぐらいには元気だったし、祖母の方も、5,6年前にはたばこを一日2,3箱吸うぐらいの方だったのだが、元気に畑で大根やニンジンを栽培していた。


 まさしく今の社会において、少なくとも私において、理想的な生活を送っていた方々である。今は網走に移住してしまったが、元気そうで何よりだった。


 これからも元気で喧嘩しながらも夫婦仲良くまた私たちに顔を見せてもらいたい。

こちらも胸を張ってまた頑張ってね、を言われるように努力したいものだ。



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