ライトが破損
前回の続き。
深夜に走行していたタクシーが、
「死亡事故多発地点」にさしかかった。
今は歩道が整備されているが、
そこから突然・・
全体が白い人影が車道に表れた。
ふらふらとした感じで。
タクシーは急ブレーキをかけたが・・
すぐには止まれない。
運転手は車体の前部から、「ドン!」と衝撃を受け、
ライトが片目になったことに気づいた。
左のライトがつかない・・
後席の乗客は酒に酔って居眠りしていたが、
急ブレーキで上半身が動き、
運転手に「どうした?」
「何かにぶつかったようです」
「ドアを開けて。オレも車体を見るから」
タクシーは車道の左側に寄って停車して、ハザードランプを点滅させた。
男性2人、運転手と乗客が車体の前部を見ると・・
左側のライトが破損して、
前のバンパーも左側がへこんでいる。
道路には多数のガラス片が散乱。
人の血液らしい、大きな広がりも。
乗客は、「人をはねたのか?」
「そのような感じでしたが・・」
「被害者はどこにいる?」
運転手と乗客がタクシーの前方を見たが、それらしい人影は確認できない。
客が、「とりあえず警察を呼んだほうがいい」
運転手が携帯電話で110番に通報して、車内の無線機でタクシー会社に連絡した。
(続く)